【赤羽 業】毒舌少女は元A組!!part17

毒舌度６１８％ ラスボスの時間 ページ1

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　屋根の上にいる二人の放つ禍々しさに顔を顰め、貫かれてめちゃくちゃになったケーキを見る。


「……何勿体無い事してんだお前らは！！」

「は？」

「莉桜ちゃんが折角崩れないように持ってきたのに！ あわよくば一口強請ろうと思ってたケーキを良くも！！」


　ビシッとケーキと柳沢を交互に指す。許さん。食い物の恨みは恐ろしいんだぞ。


「そもそも！ 殺せんせーの代わりなんて、絶対に居ないんだからな！？ 化け物イコール殺せんせーなんてタコに失礼だ！！」

「うん、馬鹿やめろ」


　カルマに頭を殴られ、人よりも遥かに大きい怪物を睨む。


「こ、こいつがあの……俺等を襲った、二代目死神？ 前は顔だけだったのに……全身がバケモンになってんじゃねーか！！」


　屋根から降りてきた二代目に流石に怖気付く。殺せんせーと違う黒くて邪気を含む触手。カルマに腕を引かれ慌てて後ずさった。

　いや確かに少しビビったけど許したわけじゃないから！


「そのタコと、同じ改造を施しただけさ。違う点は……彼が自ら強く望んでこの改造を受け入れた事だ。不出来なイトナや、義妹とはわけが違う」


　同じく屋根から降りてきた柳沢の言葉に引っ掛かりを覚えた。取り敢えずカエデとイトナ君鼻で笑った罪も追加しとこう。





　同じ改造？ じゃああんた達は、どうやってこのバリアの中に入って来た？

　このバリアを解除する計画は……少なくとも、プラン書に書かれてなかった。





　あぁ、そうか。政府が用意した最終兵器は天の矛だけじゃ無かったんだ……。なのに、私は、軽率に、無責任な言葉を皆に、





「Aッ！！」

「逃げっ――」


　気付いた事実に囚われ、足が竦んだ。またグンっと腕を引かれると、そのまま身体が中に投げ出された。





　――二代目が触手を一振りしただけで、地面は抉られ、生徒達が吹き飛んだ。

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