有毒度92% ページ7
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「で、一応聞いてやるけど、お前らAの目の前で喧嘩してどうしたんだよ」
「前原に関係なくね? つーかお前何でいるんだよ」
「当ててやろうか。無駄にAと仲良い浅野に嫉妬した。大方浅野はその挑発に乗ったんだろ」
俺の疑問に答えることは無く、ニヤニヤと楽しそうな前原に思わず舌打ちした。
対して浅野クンはやはりか、と嘆息するだけ。
「僕とAが一緒にいるのは仕方ないだろう」
「そーいやお前らクラスどうなってんだよ? またAと浅野が一緒なのか?」
「いや? Aだけ別だ」
「……ん?」
ほらやっぱそういう反応なるよね。何故浅野クンは当然と言わんばかりの顔が出来るんだ。
「じゃ、じゃあ何でAと一緒にいるのが普通みたいな反応できるんだよ。つーか浅野、お前カルマとAが付き合ってる事知ってんのか?」
「直接言われたわけじゃないが、流石に気付いている。僕はアイツと違ってそこまで鈍くない」
「はぁ? じゃあ邪魔してやんなよ」
「しかし、僕が赤羽の肩を持つ必要はないと思っている」
再び流れる肌を刺す様な空気。そういや、面と向かって言われた事は確かになかったけど。
言葉を選んでやるべきかと思案する間に、口が軽い前原の方が先に素っ頓狂な声を上げた。
「え? は? ……確認なんだけどさ、もしかして浅野ってAの事、」
「君達には関係ない事だ」
前原の言葉を強く遮った事で、今まで抱いていた僅かな違和感が確信に変わる。
気に食わないと思っていた事も、Aと二人でいる時に突っかかってくるのも、俺と同じ理由なんだろ。
「戻ろう。Aが待ちくたびれている」
「言っとくけど、譲る気一切ないからね」
「……どう捉えたなのか知らないが、好きにしろ」
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作者名:葵 | 作者ホームページ:https://twpf.jp/uranai_aoi
作成日時:2024年1月20日 13時