有毒度89% ページ4
「お、マジでやってんじゃん」
「来るの早くね? 暇なのかよ」
「悪いかよ、今彼女募集中なんだよ」
「かわいそ」
一番最初に私の隣に着いたのは前原だった。制服のままだし、本当に学校帰りに寄ったんだろう。
「後誰か来そう?」
「これ制限時間あんだろ? 誰も間に合わねぇんじゃねぇのか」
「がち? やっぱ律に録画頼んでおいて良かった」
「最高。後で皆で見ようぜ。で、どっち優勢? つかなんでアイツらなの?」
前原の疑問には私も何でだろうね、と首を傾げる。未だにどっちが優勢かも、何故戦ってるのかもよく分からない。
『――差し支えなければ私がお答え致します』
「おー、律。他誰か来れそうだって?」
『残念ながら難しいみたいです。なので私がきっちり映像残しておきます』
「だよなー、頼んだ。で、結局今有利なの、律から見てどっち?」
『カルマさんはやはり慣れてますね。ある程度戦略も絞ったのか、先程漸くナイフを取り出しました。トドメを刺すよりは、浅野さんの体力を削る事を軸にしているのかと』
律の言う通り、カルマはいつもよりコンパクトにナイフを振る分、足払いや相手の攻撃を捌いてフェイントかけたり、背後を取って威圧してる気がする。すげー嫌な奴。
『対して浅野さんはダメージを蓄積させています。あのナイフが本物だったら打撲や切り傷、下手したら捻挫。それを抜いても絞め技に自信があるのでしょうか。カルマさん、関節何度か取られています』
「結構ガチじゃん。マジで何がそこまで火を付けたんだよ。Aか?」
「冤罪にも程がある」
「多分冤罪じゃねーだろ。お前いつまで経っても鈍いのな」
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作者名:葵 | 作者ホームページ:https://twpf.jp/uranai_aoi
作成日時:2024年1月20日 13時