有毒度86% ページ1
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テスト前にこんな事してる場合じゃないんだろと思いつつ、気付けば私まで裏山に引っ張り出されていた。マジで喧嘩なら勝手にやってくれ。
「スマブラとかで決着つけようよ〜」
「お前が言い出したんだろ」
そうだっけか。と記憶を辿ったが絶対違う。
「で、勝ったら何してくれんの?」
「こっちの台詞だ」
「テストの総合点数とかでもいいじゃん……。怪我しても知らないよ……」
私の言葉はすぐ聞こえないフリしやがる。実は仲良しだろ。
何がムカつくって私は審判で見てろって言われた事だ。せめて仲間に入れて欲しい。散々申し立てたが無駄だった。口論でカルマと学秀が揃うと相手が悪すぎる。
「じゃあルール確認ね。制限時間は十分。武器はナイフのみで一本勝負。殴る蹴る絞めるはオッケー。ヤバいと思ったら私が殴って止めるからそのつもりで。質問は?」
「もし十分で勝敗が付かなかったらどうするんだ?」
「どうしようねぇ。でも私それくらいで帰りたいんだよね。頑張ってケリつけてくんない?」
「……」
学秀の眉間のしわが深くなるが、事実暗くなるしさっさと帰りたい私。あと十分って短いようで意外と動いてると疲れてくる筈だ、多分。
何か言いたげな学秀の言葉を、上着を投げ捨てたカルマが遮った。
「いいよ。十分で取れなかったら俺の負けで」
「正気か? 学秀の肩持つ訳じゃないけど、ちょっと不利じゃない?」
「Aは俺が負けると思ってるんだ」
「どっちかって言うと、本気になって生徒会長怪我させてまた停学とか喰らったらどうしようかなって感じ」
「僕が自ら引き受けた勝負だ。そんな事で停学にはしないし、そもそも怪我なんてしない」
コイツらどこからその自信が出てくるんだ。面倒くさくなったら私が絞め落とそう。もう知らない好きにやってくれ。
「じゃーいくよ」
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作者名:葵 | 作者ホームページ:https://twpf.jp/uranai_aoi
作成日時:2024年1月20日 13時