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広い会議室に余所者が一人、ぽつん。
アシスタントと言われても、仕事を与えられるまで自分は何処で何をしていたらいいのか…
指示があるまでずっとここで待っているというのも居心地が悪いので、一度外へ出ようとドアノブを握った。
するとドアが急に向こう側へ開き、物凄い力に抗えず身体はそのまま前に倒れていく。
「ぉおっと、」
ガッチリとした何かにぽすんと受け止められ、頭上から声がした。
恐る恐る目線をあげると、先程バンチャンに楯突いていた男だった。確かチャンビンと呼ばれていた気がする。
「すみません…」
「いや、別にいいけど」
チャンビンは少し気まずそうに顬をかいていたが、「あ、そうだ」と呟き用事を思い出したようだった。
「あんたの部屋案内するわ、チャニヒョンに頼まれたんだよ」
「…部屋、」
人質に部屋まで用意してくれるんだ…
あのバンチャンという人、とんだお人好しなのかもしれない。
「誰も使ってない部屋があるんだよ」
ついて来て、と歩き出すチャンビンの後ろを言われた通りついていく。先程のリノの時と違うのは、私の歩幅に合わせて歩いてくれているということ。
さっきは小走りだったのに、今は普通に歩けている。
このチャンビンという男も何かと甘いのかもしれない。
「ここだったはず」
廊下を二回ほど曲がってチャンビンが足を止めたのは、会議室と同じフロアで真反対に位置する部屋だった。ぐるっと回って来たので少し疲れた、一体どれだけ広いんだこの家は…。
「…なんか、ドアが」
自室だと案内された部屋のドアはなぜか小さい穴が沢山開いていて、悪い意味でこの部屋は風通しが良さそうだ。
それに、ドアノブが根本から外れている。部屋に入るのも出るのも一苦労じゃないか。
「うわ、何だこれ」
チャンビンはドアを上から下まで見下ろして、信じられないというような顔をしている
「やっぱ人質だしこれが本来の扱いですよね」
「いや、別にそういうわけじゃ」
「これだけ穴開いてれば覗けば監視できるし。ドアノブないからそう簡単に外にも出られないし」
「待て待て、誤解だから」
チャンビンは何やら説明したそうにしていたが、必要ないだろう。カーストで言えば今の私は最下層なのだから、寧ろ部屋が与えられている時点で分不相応だと言ってもいい。
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ニナ - コメント失礼します！もうストーリーがタイプすぎます！更新楽しみに待っています！ (4月21日 10時) (
レス) id: 86d1e90db7 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - 面白そうな作品です🤭更新楽しみにしてます！😻 (3月4日 13時) (レス) @page6 id: 9c971eb260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2024年3月3日 13時
