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「ヒョン、どういうこと？」
フィリックスと呼ばれているグレーのキャップの青年がバンチャンに問いかけた。
「簡単に説明するね」とバンチャンは私に向けて語り出す。
このStrayKidsという組織は政界や経済界などありとあらゆる人物において裏社会との取引を調査し、該当者には厳しい裁断を、というのを名目に秘密裏に活動する、いわゆる反マフィア組織なんだそう。(見た目は殆どマフィア寄りだが)
任務のためにターゲットのアジトや自宅に潜り込む必要もあるためいつも事前に見取図を用意しているが、どの潜入先も見取図には記載されていない可笑しな仕掛けがいくつもあるのだそう。毎度毎度それに苦労させられているんだとか。
先程私に見せてきたのは以前潜入したアジトらしい。
どんな仕掛けがあるのかまではわからなくとも、可笑しい場所がどこなのかさえわかれば格段に行動しやすくなるんだ、と意気揚々と話してくれた。
「一発で見抜いたAさんがいればこれからは比較的安全に任務にあたれるし、成功率も上がるはず」
「…いいんですか。私、裏切るかもしれませんよ」
「弟くんの命がかかってるのに？」
「…｣
「この点において君ほど信頼できる人はいないよ」
異論のある人？とバンチャンが問いかけると嫌そうな顔をしながらも、ノーと言う人はいなかった。
どうやら私はアシスタントとして雇われるようだ。
一旦解散を告げられ私の横を舌打ちしながら通る人がいた中、フィリックスという人は全員がいなくなった後も部屋に残り、私との距離を少しずつ縮め、「あの…」と声をかけてきた。
「弟さんを守るために、ここに来たって」
「…まあ。成り行きですけど」
「そっかあ…。Aさんは勇敢な人ですね」
「へ…｣
驚いた。まさかそんなことを言ってくれる人がこの組織にいるとは。
そういえばこの人はリノが話している間も一切馬鹿にする様子はなかったし、あの程度の説明で感銘を受けたということだろうか。なんて純粋なんだろう。
「任務一緒の時はお願いしますね」
笑顔で手を差し伸べてくる。
綺麗な顔に散らばる特徴的なそばかすが星屑のようで、彼の瞳に輝きを持たせているかのようだった。
おずおずと手を差し出すと、彼は両手でガシッと挟んで上下にブンブンと振ったあと、満足気に部屋を後にした。
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ニナ - コメント失礼します！もうストーリーがタイプすぎます！更新楽しみに待っています！ (4月21日 10時) (
レス) id: 86d1e90db7 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - 面白そうな作品です🤭更新楽しみにしてます！😻 (3月4日 13時) (レス) @page6 id: 9c971eb260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2024年3月3日 13時
