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…あ、そうだ
出発する前にチャンビニがバンチャンさんと話していた内容が少し聞こえてきたんだ
あの話が本当なら、今このアジトの近くには！
「スンミンさん、ごめんなさい！」
「っ、え？」
私はスンミンさんの左耳目掛けて、グッと顔を近づけた
「っえ、ちょ、」
「すぐ済みますから！」
「済むってなにが、」
のんびりしている暇なんてない！
彼の言葉を遮って、思いっきり息を吸い込んで叫んだ
「ヒョンジンさーーーん！！助けてくださーい！！！」
「っ！」
「例の部屋です！早く来て！！」
流石のスンミンさんもこれにはびっくりしたようだけれど仕方ない
実はチャンビニがバンチャンさんと話していた内容というのは、今日別件で出動予定だったヒョンジンさんが急遽予定変更のため本部待機になったという話だった
どうせならこの近くで待機させておこうかと二人が話していたので、助けを求めれば来てくれると思った
…もちろん、彼がちゃんと近くで待機していてこの無線を聞いてくれていたらの話だけれど
「助けなんか来るわけねえだろ、馬鹿な奴らだなあ…」
私の行動を妙に思った構成員たちは銃撃をやめ呆れている。敵ながら私のことを哀れに思っているのだろう。なんてムカつく奴らだ。
「うるさい！私たちはこんな所でやられるわけにはいかないの！」
「ちょっと、Aさん、」
「おいこいつ頭大丈夫かよ」
こんな状況で逆らうのなんて私くらいだろう。
さっきまであんなに怖がっていたくせに、少しでも希望があると気づくや否やこんな強気になれるのだから、人間の心とは不思議なものだ。
…それに。
「こんなに優しくて強い人を、武器にしか頼れないあんた達なんかが倒せるわけないじゃない」
「っ、この女！」
「今度は私がこの人を守るんだから！」
「…っ！」
煽れば煽るだけ目の前の男達の額に青筋が這う
もう我慢ならない、と男達はまた銃を構えた
はやく、早く来て！ヒョンジンさん…！
その時、私たちがいる部屋の壁の外側から凄まじい音が鳴り響いた
次の瞬間、壁はガラガラと崩れ落ちて剥き出しになった廊下には、見覚えのあるスラッとしたシルエットが。
「もー…、あんな大声出さなくても聞こえてるから！耳キーンってなったじゃん！」
ヒョンジンさんはよいしょ、と瓦礫の山を飛び越えてこちらにやってくる
そしてボロボロの私たちを見てありゃりゃと眉を顰めた
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ニナ - コメント失礼します！もうストーリーがタイプすぎます！更新楽しみに待っています！ (4月21日 10時) (
レス) id: 86d1e90db7 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - 面白そうな作品です🤭更新楽しみにしてます！😻 (3月4日 13時) (レス) @page6 id: 9c971eb260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2024年3月3日 13時
