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弟に覆い被さってぎゅっと目を瞑るも、一向に身体に衝撃が来ない。どういうことだ、と目を開けたと同時に、男が堪えられないとでもいうように吹き出した。
「…ック、あははは、何なのお姉さん。あんなに啖呵切ってたのにビビってんじゃん」
「…ちょっと、」
「はー、何年分笑ったかな」
溢れ出す笑いを止められないとでもいうようににんまりと笑みを浮かべる男の手に握られたハンドガンからは、様々な国旗が連なった布と気持ち程度の紙吹雪が飛び出している。
いわゆるパーティーグッズの類だろう。
「ふざけないで！」
「あーごめんごめん、でも弟くんがかなりヤバいことしてんのは事実だから、とりあえず監視下に置かないと」
可哀想にね〜と口だけで全く同情していない、冷めた表情のまま弟を見下ろす男。
「君達の選択肢は二つだけ。弟くんを俺らに引き渡すか、見捨てられないのなら家族全員共倒れするか」
二本の指を立て、どうする？と問われる。
そんなもの、決まっているじゃないか。
「私が代わりに行く」
「……は？」
「ヌナ…！」
「弟が何をしたか教えてくれないからわからないけど、私が人質になってる間はさすがにこの子も変なことはしないはずだから」
「あのさ、弟くん連れてかないと意味ないんだけど」
「私でも弟の代わりになるでしょう」
「…ったく、噛み合わない人だな。一回嫌でもこの状況理解させてあげようか？」
額にカチャリ、と冷たいものが充てられる。
今度こそ間違いなく本物だろう。
ダイアルを回して引き金に手をかけるまでの動作が早すぎた。並大抵のものじゃない、この男は本気だ。今度こそ私を撃ち抜くつもりだ。
きっとこの男には本気で挑んでも敵わない。
なら、私の覚悟を見せるまでだ。
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ニナ - コメント失礼します！もうストーリーがタイプすぎます！更新楽しみに待っています！ (4月21日 10時) (
レス) id: 86d1e90db7 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - 面白そうな作品です🤭更新楽しみにしてます！😻 (3月4日 13時) (レス) @page6 id: 9c971eb260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2024年3月3日 13時
