いざ ページ19
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「はあ、本当なんで僕があなたと…」
遂に任務当日。送迎車の中で耳を塞ぎたくなるほどスンミンさんの不服そうな独り言が止まらない。
口数がそう多くない人だとフィリックスから聞いていたから、余程私との任務が嫌なのだろう。
「絶対お荷物…。チャニヒョンに今からでもやめるって言って来てもらえますか」
「…それは、」
「弟のため？健気だね」
説得してみようかなんて思ってみたりもしたけれど、ふん、とそっぽをむいてしまったので無理そうだ。
ポケットの中でチャリ、と音が鳴った。
実は任務に出発する前、ジョンインくんがお守りとして小さい頃から大切にしていたブレスレットを預けてくれたのだ。
昔ヒョンに貰った宝物だから、ヒョンと一緒に無事に帰ってきてねと。
スンミンさんがジョンインくんのため、絶対にこの任務を成功させたいのと同じように、私だって弟とジョンインくんのために何としてでも生きて帰りたいんだ。
30分ほど揺られていると車は本陣から離れたところにゆっくりと停車した。
一人で我先にいってしまうスンミンさんに置いていかれまいと必死に着いていく。｢足音立てないでください｣とノールックで怒られたけれど、それなら走らせないで欲しい。
一生懸命背中を追っていたら、一瞬よそ見をしていた間にぶつかってしまった。鼻頭を押さえながら謝ると、｢シッ｣と口元を抑えられる。
急なことに思わず狼狽えたが、手下がいるとスンミンさんが小声で教えてくれた。
いかにも、というような容姿の男達は無線で何か指示を貰ったらしく、それぞれ持ち場から離れていくようだった。
｢…どこ行くんですかね｣
｢チャンビニヒョンでしょうね。僕達が潜入しやすいようきっかけを作るって言ってたから｣
｢なるほど」
手下がいなくなったことを確認して、慎重にアジト内部へと潜入する。
チャンビナは手下達の誘導と並行して、システムへのハッキングを主な任務としているらしい。パスワード入力が必要なはずのドアが簡単に開いたところを見ると、いかに彼が真面目に仕事をこなしているのかがわかる。
恐る恐る足を踏み入れたアジトは、ガラス片や鉄棒が散乱していた。構成員同士でも争いが絶えないのだろうか。なんとまあ気性の荒いマフィアなんだろう。
…いや、マフィアは普通こうなのか。
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ニナ - コメント失礼します！もうストーリーがタイプすぎます！更新楽しみに待っています！ (4月21日 10時) (
レス) id: 86d1e90db7 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - 面白そうな作品です🤭更新楽しみにしてます！😻 (3月4日 13時) (レス) @page6 id: 9c971eb260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2024年3月3日 13時
