初仕事 ページ12
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ドアも新調された自室を与えられてから約1週間が経った。
雑用を言い渡されるようなことも無かったので、バンチャンさんにお願いして建築関係の教材を用意してもらい勉強を進めていた。
自分がこんな待遇を受けられているのはたまたま建築科に通っていたからだ。休学状態となっている今、一人でも勉強はしないと。
コンコン、とドアが数回ノックされ、「入ってもいい？」という声が聞こえる。
返事をするとすぐにドアは開き、ニコニコと笑いながらフィリックスがやってきた。
「今日も来たの？」
「ヌナ勉強で忙しそうだから、僕がこっちに来ないと」
「仕事は？」
「今週はスンミナが担当だから非番なの〜」
一段落したら一緒に紅茶でも飲もう？と私の隣に腰掛けて首を傾げる。
この一週間で変わったのは、私に対するフィリックスの態度だった。彼は最初から私に好意的ではあったが、まるで本当の姉弟のように懐いてくれるのでハヌルに会えない私にとっては、彼の様な存在はとても有難かった。
フィリックスと仲良くなるにつれて、組のことや幹部メンバーたちの基本情報など、聞けば答えられる範囲で教えてくれた。
ハヌルが何をしたのかは、たとえ彼でも教えてくれなかったけれど。
フィリックスと暫く雑談をしていると、またドアがコンコンと鳴った。
キイ、と音を立てて顔覗かせたのはハンだった。
「ヌナ、いる…？」
「どうしたの？」
「チャニヒョンがヌナ呼んできてって」
「わかった。今すぐ行くね」
立ち上がるとフィリックスが少し寂しそうな顔をするので、すぐ戻ってくるねと頭を撫でると、猫のように目を垂れさせて笑っていた。
部屋を出るとハンもちょこちょこと着いてくるのでバンチャンさんに用事があるのかと思ったが、「用はないけど…、俺も一緒に行っていい？」と遠慮がちに聞くので、良いんじゃないかなと答えると緊張した表情がふわっと解けた。
数日前の片付けが一日では終わらなかったこともあり彼とは必然的に話す機会が増え、初日は酷かった人見知りも今ではヌナと呼んでくれるまでになった。
まだ所々ぎこちない部分はあるけれど、彼にとっては大きな一歩なのだろう。
一生懸命私と仲良くなろうとしてくれている姿が可愛くて思わず頭を撫でると、「子供扱いしないでよ…」と頬を膨らませて怒っている素振りをするが、全く不機嫌そうではないのでまたおかしくて笑ってしまった。
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ニナ - コメント失礼します！もうストーリーがタイプすぎます！更新楽しみに待っています！ (4月21日 10時) (
レス) id: 86d1e90db7 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - 面白そうな作品です🤭更新楽しみにしてます！😻 (3月4日 13時) (レス) @page6 id: 9c971eb260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2024年3月3日 13時
