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部屋の中で何かが崩れ落ちるような音がした。
誰も使っていないと聞いていたが、バンチャンやチャンビンの知らない内に棲みついた誰かがいるのだろうか。
チャンビンは思い切りドアを蹴飛ばして、「誰だ！！」と部屋に入っていく。…鼓膜が破れるかと思った。
そろそろと跡をつき中に入っていくと、大きなゴーグルの青年が正座をさせられていた。
彼は確かハンと呼ばれていた気がする。
彼のすぐ横には大量のCDが雪崩たであろう痕跡があった。おそらく先ほどのはこれが原因だろう。
部屋を見渡すと何百枚ものCD達が積み上げられており、他の棟がまた崩れ落ちるのも時間の問題だろうな、とハンが肩を窄めて叱られている間呑気に考えた。
「お前にはちゃんと部屋があるだろ！」
「置く場所なくて…」
「考えて物買えって言ってるだろ！物置にするな！」
「だってえ…」
「今すぐ片付けろ！今日からAがここ使うから」
「えっ」
そんなあ！とチャンビンに懇願するも全く聞く耳を持ってもらえずそのまま部屋を出ていったので、今度は肩をがっくりと落として「俺が片付け苦手なの知ってるくせに…」と不満げに作業を始めた。
手伝います、と彼が片付けをしている横に並んで腰を下ろすとハンはびくっと飛び跳ねて、一人分横にずれて距離を取った。
好かれていないのは理解しているもののここまで警戒されるとは。
「…大丈夫、です。全部自分でやるから」
先程までが嘘のように急ピッチで作業を再開するが、不器用なのか動く度に一枚ずつ落としていく。
彼が落としたCDを後ろからゆっくり拾い集めていると、自分が以前好きでよく聴いていたバンドのものがあり暫く眺めていた。
「このバンド結構マイナーなのに。私以外にも好きな人初めて見ました｣
振り向いたハンが私がCDを抱え込んでいるのに気づき咄嗟に受け取りに来たので思わず声を掛けると、全く合わなかったはずの視線がゆっくりと合わさり、「知ってるの？」と期待の込もった表情に変わっていく。
「よく聴いてました」
「そうなんだ…、俺すごく好きで、｣
効果音が付きそうなくらいの柔らかい笑顔を見せてくれたと思った矢先、チャンビンが部屋に戻ってきて「サボるな！」と吠えたため、ハンとまともに話せたのはこの時だけだった。
子供のように屈託のない笑顔がハヌルに似ていて、まだ一日も経ってないのに家に戻りたくなった。
そんな欲を押し込むため、その後も必死に彼の片付けを手伝った。
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ニナ - コメント失礼します！もうストーリーがタイプすぎます！更新楽しみに待っています！ (4月21日 10時) (
レス) id: 86d1e90db7 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - 面白そうな作品です🤭更新楽しみにしてます！😻 (3月4日 13時) (レス) @page6 id: 9c971eb260 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：浅葱 | 作成日時：2024年3月3日 13時
