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時間まで残り1分と言うところで無事教授へ課題を提出し、待ち合わせている構内のカフェへ入ると、すでにテーブル席でスンミンはコーヒーを飲んでいた。
…その隣には、なぜか別の学部のファンヒョンジンもいるが。
「お待たせ」
「おつかれ。間に合った？」
「うん、本当にありがとう。スンミンがいなかったら単位落としてた」
お礼にここのお代は私が持つねと伝えると、隣のヒョンジンが「じゃあお代わりするー！」とルンルンでメニュー表を開こうとするので慌てて阻止する。
「なに、注文するから手どけて」
「あんたまだジュース残ってるじゃん」
「良いじゃん！奢ってくれるんでしょ！」
「私が奢りたいと思えるくらい人間として成長してから言ってください」
「俺だけやたらハードル高くない…？」
スンミンは私とヒョンジンの攻防を我関せずというような顔で聞き流しているが、私たちを巡り合わせたのは言わずもがなスンミンである。
いつもは同じ学部の私とスンミンで行動を共にすることが多いが、スンミンの高校からの同級生だというヨンボクとヒョンジンとも時々顔を合わせるようになり、自然と今のような関係に至っている。
「今日スンミンとご飯行くけどAどうする？」
「この後バイトでさ、残念だけどまた誘って」
「出た！社畜〜」
思わずヒョンジンに拳が飛びそうになったが残っている理性でなんとか堪えた。振りかぶった私にびっくりしたヒョンジンはスンミンの背中に隠れようとするが、デカいので無理がある。
背中をぐいぐいと押されているスンミンはゆらゆらと揺れているが、全く気にしていない様子でそういえばと口を開く。
「人見知りくんとは仲良くなれた？」
「あー…、まだまだかな。男の子難しい」
「気長にやってくしかないね。ファイト」
心配してくれているのかわからないが、じゃあそろそろ行くわと伝票を持って立ち上がるので、急いで財布を出そうとする私に「次もっといいもの奢ってね」と笑った。
もう出ることになると思っていなかったヒョンジンはオレンジジュースを一息で飲み干し、急いでスンミンを追いかけて行った。
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作者名：浅葱 | 作成日時：2023年9月25日 12時
