Don't cry, my music (ページ43)

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行こ、と彼は歩き出すので反射的に自分も跡をつけてしまったが、思考はオーバーヒート寸前だった。

どうしてジソンくんが合コンに参加するの？
あんなに私が行くのは不満そうにしていたのに、自分は普通に参加するんだ？人見知りなのに？

それに私以外にも女の人が来るはずだ。ジソンくんがその人を好きになってしまったらどうしよう。

スタスタと前を歩く彼の背中を見つめるだけで、なんて切り出したらいいのわからない。
お店に着くまでにきっと何か話しかけてくれていたと思うのだが、曖昧な返事しか出来ていなかったように思う。

いつの間にか店に到着して、店員さんにチャンビンさんの名前を伝えると席まで案内された。そこにはすでにチャンビンさんとご友人二人の計3人が並んで座っていた。

5分ほどしたら残りの3名の女性が到着したので、それぞれ飲み物とつまみを先に注文し、軽い自己紹介を始めることになった。

案の定私以外の3人はとても綺麗な人たちばかりで、一層自分が劣っているように思う。
ジソンくんもいつもの人見知り具合とは打って変わってハキハキと話すので、中身が同じ人間なのか疑わしい。ここまで話せるならどうして私とはあんなに壁を作っていたんだろう。

もやもや考え込んでいる間に他の人たちはどんどんお酒が進んでいたようで、とても盛り上がっていて楽しそうだ。
今日は元々ご飯だけ食べさせてもらおうと思って来たんだ、私は別に会話に入れなくたっていいじゃない、と開き直って目の前の料理をよそえるだけよそって頬張る。

時々ジソンくんはチラッと私の様子を確認しているような素振りを見せるが、特に話しかけてこないので私も知らないふりをする。

「ねえねえ、Aちゃんだっけ？酒飲まないの？」

チャンビンさんの友達であろう男の人が、自分が飲んでいたグラスを持って私の隣にグイッと座ってくる。まさか絡まれるなんて思ってもいなかったので、口に入れたパスタをまだ啜りきれていない。

「あっ、おい！お前やめろって！」

気付いたチャンビンさんが制止してくれようとするが、この彼は他の人よりも酔いが回っているらしく聞こえていないようだ。

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