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【土曜の19時に店集合で】
とチャンビンさんから連絡が来てから早くも合コン当日。
あの日以降勤務がかぶるたび「門限決めない?」「お酒飲んじゃダメだよ」などジソンくんが色々口出ししてくるので、3日続いたあたりから適当に受け流していたら、それに勘づいたのか口うるさく言ってくることはなくなった。
どうしてそんなに気にするんだろうか、心配しなくても私はただの穴埋め要員なんだから
…それに。
「…彼氏でもなんでもないじゃん、」
男の人の前での身の振り方守り方なんて、そんなの恋人以外の立場で口出しすることはそうそうないだろう。
私の事が好きな訳ではないくせに思わせぶりなことばかりするので高望みしてしまって、自分がどれだけ恥知らずなのか自覚した途端にカーッと熱くなり、顔から火が出そうなほど恥ずかしい。
頬を両側からぱちぱちと叩いて気を引き締める。
今日はジソンくんのことなんて一ミリも考えず、ただ目の前の食べ物にありつくんだ。
時刻は18時30分、歩いて行けば丁度いいくらいだろう。
よし!と意を決して玄関の扉を開けた。
「あ、きた」
玄関を開けると、なぜかそこにはジソンくんが。
いつもダボっとした服を着ていることが多い彼だが、今日はタイトめのパンツを履いていてスタイルの良さが際立っている。
私を待っていたのか、つまらなさそうに携帯を触っていたようだが、私に気づくとぱっとその手を止めてポケットにしまう。
「じゃあ行こっか」
「…え、どこに?いや待ってごめん、私用事あって」
その時、バックの中に入れていた携帯がポロンっとメッセージを受信した音が鳴った。なにか変な予感がして慌ててトーク画面を開く。
チャンビン言い忘れてたけど今日ハニも来る
チャンビン家近いなら一緒に来れば
「……え?」
私の見間違いだろうか。何度目を擦っても同じ文字しか見えない。
「もしかしてチャンビニヒョンから聞いてなかった?」
「今聞いた…」
「ははっ、ヒョンらしいね。ま、そういうことだから」
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作者名:浅葱 | 作成日時:2023年9月25日 12時