Don't cry, my music (ページ3)

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「みんなちょっと集合〜」

バンチャンさんに集められたバイトたちの目の前で変わらずややオドオドしている青年。どうやら即日採用されたらしく、皆に挨拶お願いします、とバンチャンさんに声を掛けられている。

青年はハンジソンと名乗った。
挨拶はその一言だけで、誰とも目を合わせようとしない。これは典型的なド人見知りだろうか。

そういえば隣人もハンという名字だったな。
意外とハンさんって多いんだ、と一人考える。

「今日はとりあえず挨拶だけで！明後日から本格的に来てもらうことになるので、皆指導よろしく。基本的にはAちゃんに見てもらうことになると思うから、仲良くね」

「あ、わかりました」

大学入学から3年も働いていれば新人指導にもつかなければいけないのは至極当然、特に文句はない。
彼は自分の指導係を異性が担当することに驚いているのか棒立ちのままバンチャンさんに目で訴えかけている、気がする。

「えと、ハンくん。Aです。明後日からよろしくお願いします。」

「…….よろしく、…お願いします」

やはり目を見てもらえない。
コミュニケーションが大事なのに、幸先不安だ。

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