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「ほー、この数日でそんなことが」
スンミンは私の話を聞きながらもぐもぐオムライスを頬張っている。ちゃんと聞いているのか甚だ疑問ではあるが。
その隣でにこにこしながらパフェを食べているのは、つい先日実習が終わったばかりでトレードマークの金髪が黒く染まっているヨンボク。毎日課題で張り詰めていたからこそ、友人との時間がかけがえない物に感じるんだとか。
「本当どうしたらいいのかな…。明日バイトなのにめちゃくちゃ気まずい」
「そんな気にしなくてよくない？バイトくんも実際近所迷惑なくらい煩かったわけだし。注意したけどもう気にしないでねはい終わり、てなるでしょ」
「人間みんなスンミンみたいに割り切れると思うなよ」
スンミンに相談してもまともな答えが返ってこないな…と思っていると、パフェを食べ終えたヨンボクが「僕が思うにはね、」と話し出す。
「Aはお隣さんが例の彼ってこと知らなかったんだよね？でも知ってたとしてもAなら注意してたと思うよ。もちろん友人として優しく伝えていると思う。彼だって知ってたら本当はそうしたかったんだよね？それが出来なかったから自分を責めてるんだよ」
辛いよね、Aは意味もなく怒ったりする人じゃないもん！とビー玉のような目をゆったりと細めて私を励ましてくれるヨンボク。
彼は教師になるために日々教育学を熱心に学んでいる。こんな人が教師になってくれたら、そこに通う子達は幸せな学生生活を保証されたも同然だ。
「だからね、Aの気持ちを伝えるのが1番だと思うよ」
「私の気持ち？」
「うん！だってA、その彼のこと好きなんでしょ？」
「…はっ！？なんで！？」
「え、違うの…？」
「待ってヨンボク、俺にもわかるように脈絡付けて説明して」
スンミンが驚くのも妥当だ。私は二人に対してジソンくんが好きだと一言も伝えていないはずだ。もちろんヒョンジンにも話していない。
なぜ当たり前のように言い当てるんだ。ヨンボクに至ってはジソンくんの話をしたのは今日が初めてのはずなのに。
「だってA、いつもならちょっと喧嘩しても”まあ何とかなるか”って終わらせるじゃん。実際何とかなってるし。でも彼とは仲直りしたいから悩んでるんでしょ？それって好きだからじゃないの？」
スンミンも納得していたようで、好きならちゃんとしなきゃね、とようやっと相談に乗ってくれた。オムライスは頬張ったままだけれど。
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作者名：浅葱 | 作成日時：2023年9月25日 12時
