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「ハンくん私の名前知ってる?」
「…えっ?」
「知らないから先輩って呼ぶの?」
「そういうわけじゃない、けど」
責め立てるように言葉を発してしまったせいでハンくんは萎縮してしまい、視線を逸らして作業に集中しようとする。
「知ってる?」
「…知ってる」
「なら呼んで」
クーポン券を切り分けていたハンくんの手がぴたっと止まる。
泣き出したいくらいの恥ずかしさが猛烈な勢いで自分を襲うが、それを彼に悟られたら負けだ。じっと彼を見つめる。
逃げ場を失ったハンくんは「ぇあ、ん、えっと」と目を泳がせていたが、どんどん顔が赤く染まっていき、ついに顔を両手で隠してしまった。
これはもう呼んでもらえなさそうだ、と視線を外した瞬間、
「…Aでしょ、?」
ととても恥じらいながら私の名前を口にするのだ。
あー!恥ずすぎる!と両手をブンブン振る彼を見て抑えていたはずの気持ちをついに認識してしまった。
どうしようもなく、ハンくんが好きだ。
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作者名:浅葱 | 作成日時:2023年9月25日 12時