Don't cry, my music (ページ2)

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やっとの思いで眠りにつくも、目を覚ませば案の定寝不足なわけで。
よりにもよって今日は朝からバイトであったため、重い足取りでバイト先まで向かう。

「おはようございまーす…」

「おはよう。…うわ、なにどうしたのその顔」

店に入るや否や私の顔を見て顰めっ面をしたこのバン•チャンという人は、何を隠そうこのお店の店長である。
年齢は私とそう変わりないが、大元の会社の会長がおじい様とかで、まずは勉強のために小さい店の経営から学べと出向されてきたそうだ。

「例のアレですよ」

「ああ…アレね…」

バンチャンさんには1度隣人の騒音について相談したことがあった。頻度がそう多くないため警察に通報してもあまり動いてもらえないだろうとのことで、ただただ泣き寝入りするしかない私を心配してか、いつも疲れ切っている私に哀れみの目を向けてくるのだ。

頭をグリグリと撫でくり回されて髪がぐちゃぐちゃになったので、一発お見舞いして開店準備に取り掛かったとき、入店ベルが鳴った。

若干オドオドしながら入ってきた同い年くらいの青年に開店時間までもう少しあると伝えると、自分はバイトの面接に来たのだと言った。
バンチャンさんを呼ぶと「はいはーい」と小走りで戻ってくる。

「お待たせしました！じゃあ奥で少し話そうか」

「あ、はい」

裏に入っていった2人をよそ目に、バイト増えるならシフト減るかも、なんてことを考えていると開店まで15分を切っていたことに気づき、急いで準備を再開した。

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