泣くな 堂上side ページ9
堂上side
正直、桜木の運動能力と頭脳はすごいと思ってる。
努力も惜しまない、いい部下だ。
ただ、自分をあまり大切にしない。
だから、ほっとけない。
怪我がまだ治ってないのに訓練をしようとする。
心配するこっちの身にもなってくれ。
堂「ダメだ！」
俺が強く言ったとき、桜木が涙目になるのがわかった。
違う。そんな顔されたいんじゃない。
小「追いかけてあげなよ。桜木さんのこと」
小牧に言われて、必死で桜木を探した。
あーもう。どこに行ったんだあいつは？！
屋上に行くと誰かのすすり泣く声が聞こえた。
堂「……おい」
『 っ？！』
堂「顔上げろ」
『い、、や、で、、す、』
堂「きつい言い方して悪かった。だから泣くのはやめてくれ。俺が困る」
『泣い、て、、な、い、、、で、、す』
体育座りして膝に顔を埋めてる奴のどこが泣いてないんだ。
ったく。強がりやがって。
桜木の顔を強引に上げさせて強く抱きしめた。
堂「ほら、泣いてるじゃないか。阿呆。」
『ず、、ず、る、、い、で、す、、よーー』
桜木は声を上げて泣いた。
少し収まると、ポツリポツリ話し出した。
『別に、堂上教官が怖かったわけじゃないんです。ただ、いきなりタスクフォースになって私なんか背も低いし選ばれる理由なんてないのに、、訓練まで休んだら、、何も、、できない、ん、です、、』
堂「……そんなことか」
『私、不安なんです、、史上初の女子防衛員とかそういう目で見られるから、、』
こいつなりにプレッシャーとか感じてるんだな。
『でも、堂上教官の班になれてちょっと安心しました。』
堂「は？」
『堂上教官はなんか、守ってくれる、って感じがあって、、だから訓練するなって言われてビビっちゃったんです』
そう言って桜木は笑った。
『私、堂上班になれて嬉しいです』
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作者名：榛名 | 作成日時：2017年5月13日 14時
