それとも… ページ29
Aside
玄「野辺山氏の遺言により所蔵されている全資料を関東図書隊が引き取ることになった」
特殊部隊の全体会議で玄田隊長はそう言った。
告別式当日に資料の受け渡しを行うらしい。
資料の引き取りにはおそらく良化隊の妨害が予想されるため特殊部隊が総力を挙げてあたるそうだ。
玄「なお、堂上班桜木は当日の告別式に参列する稲嶺司令の警護応援にあたるものとする」
、、、、え？
その言葉を最後に会議は終了した。
郁「堂上教官！なんでAだけ外されるんですか？！」
1番最初に堂上教官に噛み付いたのは郁だ。
堂「本来、要人警護は図書特殊部隊の任だ。うちから人員を出さんわけにはいかん」
郁「だからって…」
手「俺も笠原と同意見です。桜木は男子の中でもトップの運動能力と同年代の中では頭一つ抜けた頭脳を持っています。外されるのはおかしいです」
手塚まで…
堂「…決まったことだ。お前らが口出しできることじゃない」
手「でも、桜木は…」
『もういいよ手塚。郁も』
郁「だってAだけ外されるなんて」
『私は大丈夫だから』
うそ。全然大丈夫じゃない。
少しでも声を出したら涙が溢れそう。
『堂上教官』
堂「…なんだ」
『私が外されたのは背が小さいからですか。それとも…』
必死に声を絞り出して、会議室にいる全員に聞こえるように言った。
『私が良化隊の娘だからですか』
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作者名：榛名 | 作成日時：2017年5月13日 14時
