図書隊のちっちゃい女の子 (ページ23)

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かっこいいページ23

Aside

「こちらは関東図書隊だ！それらの書籍は図書館法第30条に基づく資料収集権をもって見計らい図書とすることを宣言する！！」

その人の背中は大きくてかっこよかった。

何かを“守る”ためのそんな背中だった。

ボーッとしていると目の前に本が渡される。

郁の本だってことはもう忘れていた。

『この本を守ろうとしたのは君だ』

嬉しくて安心して涙が出た。

涙を見られないように下を向きながら本を受け取った。

ポンッ

、、、えっ

その人はクシャッと私の頭を撫でた。

顔を上げたとき、もうその人はいなかった。

郁「…かっこいい」

『郁！！今のなに？！誰？！』

郁「えっと、、図書隊…の人、かな？？」

図書隊…

郁「その本Aにあげる。Aが守った本だから！」

『えっ、、、いいの？』

郁「そのかわり、Aが買った本を私にちょうだい？」

『うん！！』

郁「あの人は私たちにとって王子様だね…」

王子様…

突然現れて一瞬で消えた運命の人…

『私…図書隊になりたい』

郁も同じ気持ちだった。

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あの日から図書隊について色々調べた。

郁「へー防衛部と業務部があるんだー」

『どっちにする？？』

郁「そんなのもちろん…」

郁「『防衛部！！』」

『訓練とかもあるんだー』

郁「今のうちに体力つけとこ！」

『陸上部の期待のエースだもんね！私たち！』

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高校3年生になったある日。

“高校卒業したらお前はどうするんだ？”

父から言われた一言。

図書隊になる、なんて言えない。言える訳がない。

『と、東京の大学に行くから一人暮らしかなー』

“わかった”

そして、実家を出てまずはじめにしたことは髪を切ることだった。

バレないようにしなきゃ。

その思いで今までにないくらい短くした。

指定された寮に着くと、隣が郁の部屋だった。

柴崎ともすぐに仲良くなった。

図書隊に入って毎日が本当に楽しかった。