きっかけ ページ11
Aside
今日から野外行程が始まる。
なんでも、熊が出るとか出ないとか…
出たら死ぬ。うん。死ぬな。
てか、山登るだけあって結構大変。
堂「手塚、笠原のスコップ持ってやれ」
手「っ？！なんで俺が、、」
堂「これは班行動だ。1人だけ着けばいいってもんじゃないだろ」
バツが悪そうな手塚。
渋々、郁も手塚にスコップを渡した。
堂「桜木…は大丈夫そうだな」
『はい！余裕です』
大変だけど、荷物を持ってもらうほどきついわけじゃない。
それに、もうすぐゴールだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
玄「おぉ！堂上たちが来たぞ！」
先に着いていた隊員が私たちを見てザワザワしはじめる。
玄「女子二人がいる条件でよく頑張った。当日中に着くとはさすがだな」
疲れ切った体でテントを張る。
ご飯も食べたし、あとは寝るだけだ。
でも、なかなか眠れない。
しばらく本を読んでいると、テントの外から声がした。
堂「桜木、起きてるか？」
堂上教官だ！！
テントを開けて外に出る。
『ふふっ、起きてますよー』
堂「なにしてたんだ？」
『本、読んでたんです！教官も中入りますか？』
そう言って堂上教官を自分のテントの中に入れた。
『この本は私が図書隊に入るきっかけを作ってくれた本なんです…』
堂「面接の時は本を守りたいから図書隊に入る、って言ってたじゃないか」
『あれは、嘘なんですww』
『えっと、郁の王子様の話は知ってますか…？』
堂「…少しなら」
『実は、あの話には続きがあるんです』
堂「？」
『私、郁と高校が同じだったからあの時、本屋さんに一緒にいたんです』
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作者名：榛名 | 作成日時：2017年5月13日 14時
