9▽下心は全くない ページ9
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side #7
昨晩 遠征からこの街に帰ってきて、今日は何もしないでおこうと決めた日だった。
休日も、
わりと時間を見て予定をきっちり決めたい自分にとって、
こんな日は、珍しいと言えば珍しい。
とはいえ やっぱりなんとなくもったいない精神が働いて、少し早めに起きて、家の近所をプラプラ。
ランニングとも言えないような、ウォーキングとも言えないような、そんなやつをしていた矢先。
(…あれ)
そんな、普段から、すれ違う人の顔なんてまじまじと見ないけど、
「…え」
思わず声が出た。
いや、そら、え。ってなるわな。
何度目や。三度目?
すれ違う人みんな知り合い!みたいな、
そういう小さい町で起こるような出来事ならわかるけど。
ここは言うほど田舎でもない、どちらかと言ったら都会である。
家、近いんかな。
犬でも連れてそうな、そのまま部屋から出てきました〜みたいな格好で出歩いてるあたり…
よくわからないけれど、自然な流れで名前を聞く。
ついでに、軽い気持ちで、食事でも…と誘ってみる。
下心的なものがあったわけではない。
ただ、なんて言うか
自分から話しかけておいて、
じゃあまた〜で終わるのもなんだかなぁと思ったのと、
あと、単純に、なんかもったいない気がしたから。
こんな機会、たぶんなかなかない。
俺はプロ野球選手をしていて、
自惚れているわけではないが、自分から動き出せばきっと、女なんてすぐ捕まえられる気がする。
そういう店行ったり、合コンとやらをしてもらったり、いくらでもできる。
でも、そうじゃなくて…
(こんな漫画みたいなん、いつぶりやろか)
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笑花(プロフ) - 更新楽しみにまってます!すごく楽しくいつも拝見してます! (2018年1月14日 12時) (レス) id: e418351b12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まいち | 作成日時:2017年9月17日 20時