正反対のふたり

6▽こんなことって ページ6

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あれから、数週間。



特になんの変わりもなく、いつもの平凡な日常。




…あ、ひとつだけ変わったことがあった。

それは、今まで特に興味のなかった野球を見始めたこと。
野球ってこんなに楽しいスポーツだったんだ…なんて思ったくらいにして。



そして西川遥輝はどうやら、同い年だったらしい。(調べた)

いや、深い意味はないけど。
年上かと思ったなあ、なんて。

あんな出来事があったから、まぁ色々調べてみたくなったり、応援したくなるのは当然である。




自分の仕事柄、土曜日も出勤のことが多いので、今日は平日休み。
日曜日、月曜日と続けての連休なんて、なかなかない。

天気も良いし、予定もないし、珍しく早起きをして、午前中から散歩に出る。




歩くの基本的に面倒くさいし、
なんなら外に出るための支度も面倒くさかったりするけど、
でも、散歩はすき。
何も考えずに外の匂いを吸うのが、目的もなくふらふらするのが、好きだ。

いろんなきもちがリセットされる気がして。



こんなふうに、たまに、まるでおじいちゃんのように過ごす休日は嫌いじゃないんだな。







コンビニに寄る。

別に何を期待しているわけでもないけれど、あの日と同じ場所。




…いや、期待したところで、下スウェットだし。
ユ〇クロだし。
仮にもし会ったとしたら逆に困るわ！

と思いながらも、まあ あの日みたいな偶然なんてあるわけもなく。




(そりゃそうだわ)





店を出る。

ザアッと風が吹いて、左手に下げた袋がガサガサと音を立てた。
追い風と一緒に歩き出したら、…あれ…

あれ…



(ええ…？！)



まさか。
まさかまさか。

こんなことって、ある…？？




「…え」

「！」

「この前の」



いや、これには彼も苦笑い。

思わずお互い立ち止まって、顔を見合わせる。






*

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