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18▽女子力高め…? ページ18

*




「うい、入って」と、彼の手で軽率に開かれたドア。


入ってまず驚く。
玄関には、靴が一足もない(ちなみにわたしの家の玄関はというと、靴箱に空きはあるというのに、何足か靴が出したままになっている)。
なんだかこのまっさらなスペース(ただの玄関)に、わたしの靴なんぞ置きっぱなしにしておいて良いものなのか。



「…おじゃまします」

「ほい」

「遥輝くん靴、ここ、このまんまでいい?」

「あ〜ええよ、そこ置いといて」



…いいの?

泥汚れひとつ確認できない玄関ですけど、わたしの靴ここに置いておいていいの?
まあ 彼が良いって言うなら良いか。


玄関からリビングに続くドアが開く。

ごく一般的な、1LDKだ。
人の家に来ると、間取りとか、内装とか、すごくよく見てしまうのもわたしの癖。

一言で言えば…

すっごい、綺麗。





「……すっごい、綺麗だね」

「ん?そうでもないっしょ。」

「いやそうでもある…」

「っふ、なんやねんその顔。そこ座ってええから」




わたしなんかが座って良いのでしょうか?ってくらい綺麗にされてるリビング。

なんだろう、何がこんなに綺麗なんだ?
思わず分析してしまう。

まず物が少ないのか。
あと、色も上手に統一されている。
男子なのに、なんとなく女子力ある感じ。



「…さっきよりひどくなってんな」




遥輝くんはそんなわたしを尻目に、カーテンを閉じながら窓の外を眺める。
確かに、家の中にいてもバチバチと地面を叩くような音が聞こえるくらいに、雨脚は激しさを増していた。

明日、仕事は休みだけど。…うん、休みだけど。


時計の短針は、8を過ぎようとしたところだ。
雨が弱まったタイミングで、ちゃんと家に帰ろう。傘でも借りて。
ていうかタクシー呼べばいいじゃん、…ていうか今更だけど、なんでわたしは自分の家に帰らなかったんだ?

よくわからない、本当に。お酒の力?こわい。




「ハイ。ごめんお茶やけどただの」

「!あああ、ありがとう…」

「あああ、どういたしまして」




悶々と考えているところに、差し出される冷たいお茶。
動揺したわたしの「あああ」を、そっくりそのまま真似ながら。

果実酒をロックで飲む時のグラスみたいな、
きれいな色の…深い青の…なんて言うのか…素敵なグラスだ。
うーん…こんなところも女子力…。女子力…?

いよいよもう、なんなんだかわからなくなってきた。






*

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笑花(プロフ) - 更新楽しみにまってます!すごく楽しくいつも拝見してます! (2018年1月14日 12時) (レス) id: e418351b12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まいち | 作成日時:2017年9月17日 20時

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