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「はい。どぞ」
我が家に帰宅。
Aとの電話を終えてから、時計の針は一周とちょっと回っていたようだ。
インターホンは鳴らさずに、自分の鍵で玄関のドアを開ける。
おじゃまします、と声に出しながら、順番に靴を脱ぐチームメイトたち。
「おかえり〜」
パタパタとスリッパを鳴らしながら、Aが顔を出す。
腕には、娘を抱っこして。
ひさしぶり、とお互いに言葉を交わし合う。
9「ただいま、…あら。目あいとる珍しい」
7「ひゃあ〜〜〜ちっちぇえ〜〜〜」
49「やーば。あららら」
30「Aちゃんおめでとうね、かーわいいね〜」
49「あららら〜」
7「ちぃーちゃい…」
9「まって、触る前に手!まじで。手ぇ洗って、まず」
わらわらと嫁と娘に群がる奴らを、まず洗面所に誘導する。
小声で「でた溺愛親父」と揶揄された気がしたが、まぁそこは気にしないでおくことにする。
とりあえず手を洗わせて、リビングに落ち着いた。
7「これ、俺らから出産祝い〜遅くなってもたけど」
「え〜!!そんな〜良いのに…ありがとう、気遣わせちゃったねなんか」
仲間たちからの出産祝いは、大きなおむつケーキと、シンプルなロンパースとスタイのセット。
遥輝の家に寄ったとき、荷物をガサガサやっていたのはこれだったわけだ。
ものがどうとかじゃなくて、何よりも こういう気持ちが嬉しい。
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作者名:まいち | 作成日時:2017年9月15日 3時