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「…。はあー」

「えぇ〜わかりやすっ!なにそれわかりやすっ!」


思わず空気漏れのように押し出されたため息に、
すでに着替えを終え雑誌を広げていた慎吾が笑いながら反応する。
雑誌を手に持ったままでこちら側へやってきて、
くい、と俺の着るシャツの裾を引いた。

扉の向こう側、いつもつい買ってしまうお気に入りの飲料が並ぶ自販機の前へと俺ごと引っ張ってきた慎吾は、
ニカッと、でも少しだけ切なげに笑う。



「卓さんほんま、わかりやすいっすわ〜 いっつも。なんかあった?って聞いて!って顔に書いてますよ」
「えぇ?んなことねぇわ」

「だから聞きますよね。卓さん なんかありました?」


先輩に対して、ここまで食い入ってくる後輩もなかなかいない。
こんな奴に両肩を両手でポンと掴まれ、
なんだか逆にそれがありがたくて、泣きたくなってしまった。


「……いやー、あんまし…こんなこと言いたくないんやけど」
「?」
「なんか、避けられてるんよね。避けられてるっつうかなんか」


目の前のそいつは、もともとつぶらな瞳をさらに丸くした。
キョトンとした表情のまま、俺の両肩から両手を外す。


「Aちゃんすか?」



(避けられてるっつうか…そういうわけじゃないけど、)



それ以外に、うまい言葉が見つからない。

慎吾が発した彼女の名前に頷くと、キィと扉が開く。
コキコキ首を鳴らしながら、扉を開けた主はおもむろに扉を閉める。






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ななせ - コメント失礼します!とても面白いです!!中島選手大好きなんで更新いつも楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2017年9月8日 22時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まいち | 作成日時:2017年8月11日 10時

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