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* * *









「えっ、くるんすか」




朝、ドームに着くと、
いつものように集合時間よりも早く集まっている、いつものような顔ぶれ。





予定を聞かされて まず嬉しそうな顔をしたのは、慎吾だった。


少し遅れて、
遥輝も「久しぶりっすね」なんて、顔を綻ばせる(ちなみに彼の勘の良さ、またの名を“西川さんのエスパー伝説(慎吾命名)"は、チーム内で今でも話題に出るほどである)。





「もうだいぶ、大きくなったんちゃいます?おなか。まえ会うたときは全然やったけど」



コンビニエンスストアで買ってきたらしいチョコレートを頬張りながら、遥輝が問う。




「んー、うん。もともと華奢やけんね。結構目立つようには」

「えーそれ見たら実感わきますかね…俺まだ卓さんが父親とか全然ピンとこやん」

「いや 俺やそれ。俺が一番ピンときてないわそんなん」




笑いながら、あっという間にチョコレートを平らげた遥輝は、
親指を最後にペロ、と舐めた。




子どものことがわかって、

Aと入籍することを決めたすぐ翌日、
彼女を連れ、
球団とかの前に、いつもつるんでいる仲間内にまず、その旨を伝えた。



まさか本当にそうだったとは、といったような空気にもなった(あの場にいなかった奴らなんて特に呆然としていた)し、
どうなるんだろう ということも、きっとその時その場にいた全員が自然と考えた。


Aとはもう何年もの付き合いになるし、

チームメイトももちろんそのことは知ってるし、
彼女を信頼してくれているし、
結局は答えなんてやっぱり皆、同じだったのだけど。

簡単な問題ではないにしろ、
そこは出逢ってから、いろんなことを共に乗り越えてきた関係だ。
培ってきたものというのは、こういう時こそ遺憾なく発揮されるもの。




そんなことをぼんやり考えながら、

べたつく指の所為で面倒くさそうな顔をする遥輝に、
ティッシュをわたしてやる。


「そや、卓さんボード見ました?」
「え、見とらん まだ」

「選手会書いてありましたよ。練習のあとやったかな、なんかミーティングかなんかちゃうか」




おっと。







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ななせ - コメント失礼します!とても面白いです!!中島選手大好きなんで更新いつも楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2017年9月8日 22時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まいち | 作成日時:2017年8月11日 10時

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