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「… すごい、…なんつうか、神秘やけんなんかもう、なんて言えばいいのか全っ然いま、わからんのやけど、嬉しいとか、なんか、そんなレベルとかじゃ…そんなんやない……俺ね、」
「…」
「聞いてる?…聞いといて、1回しか言わんから」
抱きしめられたまま、
彼の表情は見えないままで、
声と鼓動と温もりだけで会話をする。
改まったような、かしこまった様子の、卓の声。
「俺ね?柄でもないけど、…かもしれないけど、なに…いっつもこんなこと言えんけど、…全部すきなの。Aのこと。はじめから、俺にはおまえだけだって、本当に思ってたんよ、バカみたいかもしれないけど。」
卓は、彼らしくもないような言葉を次々に述べていく。
まとまっているようで支離滅裂な、
わたしの大好きな言い回しで、
わたしの大好きな声色で、
ひとことひとこと、ゆっくりと続ける。
「…だからねA、……一緒に暮らそうか」
「ー…」
「なんにも、心配することないけん。
結婚しよ」
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ななせ - コメント失礼します!とても面白いです!!中島選手大好きなんで更新いつも楽しみにしています。これからも頑張ってください! (2017年9月8日 22時) (レス) id: 884c868c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まいち | 作成日時:2017年8月11日 10時