好きと嫌い 【誰ソ彼ホテル】

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あれから暫く時間がたった。

『…。』

どうしてこの状態で居るのだろうか。自分には検討もつかなかった。

目を開けると視界に映るのは聖生のシャツ。
自分の腰には彼の手が。



…暖かい。恐らく抱きしめられてるのだろう。

上からは規則正しい寝息が聞こえてくる。


『…聖生起きて…。』

大『ん…。』

さっきより強く抱きしめられる。

だめだこりゃ。

そういえば、彼はどうしてここに来たのだろうか…。

動ける範囲で首を動かす。
部屋を見渡すと最初に探査した時より少し変化が見られた。


無理やり脱出して部屋の探索を始める。


『(どうしてここに来たのか突き止めますか。)』






探してみた結果、色々と手に入った。

彼の成績表や学生証、傘なんかも。

『よいしょ。』
傘を窓に引っ掛けて外を見ると花壇が。
そこにはパンジーが咲いている。

もうちょっと近くでみたいな…

チクリｯ

『…！！』

見てみると花壇の柵だった。

『危ないな…』

それにしてもここにもパンジーがある。聖生に関係してるのかな…。

パンジー嫌いなのになぁ…

パタパタ…

『あれ、青い鳥…。』

飛んできた鳥は鳥籠の中にはいった。足元に紙が付いている。

『どれどれ…』
紙には外→と書いてあった。

もう1度窓を見てみる。

『あっ』

さっきは気付かなかったけれど、柵のところに模様が書いてある。

この模様…さっきの鉄板にかいてあったやつと一緒だ…！


急いで椅子の下にある鉄板に近寄り模様を柵通りに入れてみる。

カチャｯ

おぉ…開いた！

中を確認してみる。

『………。』

中から出てきたのは美人な女の人の写真だった。
しかもあのアルバムに貼ってある友達や女の人に雰囲気が似ている気がする。



『……はぁ…。』

次のターゲットだったのかなぁ…。
ちょっと傷ついたのでベッドに寝ている聖生に向かって椅子の上にあったクッションを投げつけた。

大外 ｢うぐっ｣

呻き声をあげたけど起きなかったので
心のなかでざまあみろと笑っておいた。



聖生が起きるの待ってようかな…。

私は鳥籠の中の鳥を手に乗せて聖生が起きるのを待った。

女の人の写真を眺めながら。

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