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そして冒頭に戻る。
2日目、まだ熱は下がりそうになかった。
明日には治ると過信していたのが良くなかったのか。
Aちゃんに会いたいよ〜、会って伝えたいことばっかりだ。
好きだよって、会った瞬間に言いたくなるだろうな。
あの後Aちゃんからは、“自然治癒？笑わせないでよ！治ったら話そうね”というメッセージがきた。
笑ってくれたんだ、とかニヤニヤする俺。笑ったときに目尻がキュッとなるAちゃんを想像してドキドキした。
この2日で妄想のプロに近づけたかもしれない。
そろそろ見飽きた天井を仰ぎながらまた目を瞑る。はやく、会いたいな。
「ベッキョナ、Aちゃんが来てるよ」
しばらくしてドアの外から聞こえたオンマの声にビックリして布団を剥ぐ。
「え！あ、今行く！」
予想外の来客にパジャマ姿の俺は恥ずかしくなる。髪の毛もパサパサだし、あんまりコンディションは良くないけど...。
「Aちゃん、相変わらず可愛いね」
「オンマ...」
部屋の外に出るとオンマが立っていて、ニコニコと笑っている。
しっしっ！という仕草でオンマを追い払って、俺は玄関に向かう。
「あっ、ベク！」
「Aちゃん、久しぶり」
「久しぶり、っていうか、平気？」
「あー、それが。俺が俺を過信していたせいで、心外にも熱が下がってない」
「プハッ、過信って...」
アハハと笑うAちゃんは相変わらず可愛すぎる。愛おしいという言葉がぴったりだ。
「うつっちゃいそーだけど、平気？」
「うつらないよ」
「何その自信は！」
「勘よ、勘」
「まぁ、その勘を信じよう」
いつもよりボリューミーな髪の毛を触りながらAちゃんのことを見る。
勘、と言い張るところも可愛い。
「玄関じゃアレだから、部屋入る？」
よくもこう、ナチュラルに言えるよなーと自分に感心する。
いや、ほら、オンマに丸聞こえじゃ恥ずかしいし。
「じゃあ、少し」
「よーし。着いておいで〜」
「エヘッ、何なのそれ。動物を扱うみたいに」
「いいの。俺の子じゃん？」
「もう...、ベクは分かってない」
「分かってるって」
好きだから、ってことかな。そうだったら可愛すぎにも程があるじゃん？
そして部屋に入るなりAちゃんが口を開く。
「私、ベクのことが好きでね。どうしようもなくて」
「ストップーーー！待って、心の準備がっ」
「はっ！？準備するの私のほうなんですけどー！」
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作者名：デュオ | 作成日時：2020年4月30日 20時
