真夏の君は透明で儚い 2 (ページ8)

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2限は休んで家に帰って、寝て...
気付いたら17時30分すぎ。

かなり眠っていたみたい。
病院には行かない派の俺は、2日くらい寝込んでいれば治ると信じている。

今回もそのパターンだ。心なしか体がダルいのもなくなった気がするし、大丈夫。

机の上に置いてあったスマートフォンを手に取ると、通知が2件きていた。
ギョンスかな？あー、バイトに行ってないからチャニョルかも。

メッセージをくれたのは、予想していた2人とは違う人だった。ずっと考えていたAちゃんから。

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Aベク、ごめんね。熱だって聞いた

Aあとね、好きっていうのは本当だよ

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えぇ、ズルくない？
熱なのに、熱じゃないみたいな気持ちになって、
今すぐ着替えてAちゃんに会いに行きたくなった。

俺も！大好きなんだよ！って、直接言いたくて堪らなかった。
こんなメッセージで、短い文で、たった2文字だけなのにこんなにも俺を喜ばせるものはないと思う。

俺は急いでメッセージを返す。
大事なことは直接伝えてあげたいから、まだ言わないけど。次回予告ってやつ。

“ 熱は平気だよ、自然治癒だから”と文字を打ち込んで笑える雰囲気をつくる。雰囲気づくりをしちゃうのはきっと、俺の癖だ。

その文に続けて、“明後日とかには良くなると思うから、会って話そうよ”とかカッコつけたやつを送信。

ドキドキするし、早く会いたくてたまらなかった。
熱のせいなのか、Aちゃんのことを想ってドキドキしているのか分かんないくらいには彼女に夢中だ。

バイトの帰り道にコンビニのアイスを分け合いっこするとき、俺だけが意識していた“間接キス”のことだとか。

お客さんが来ない日のバイト中、話に夢中になって肩がぶつかり合ったこととか。

夏休みが終わる直前、レポートに追われて休憩室で唇を噛みながら必死になっている姿だとか。

Aちゃんの兄であるジュンミョニヒョンと仲良くなろうとして一緒に図書館に行った時、「ベクにビタミン剤はあげないでー！」と突然大声で図書館に乱入してきたAちゃんのこととか。

全部を思い出してドキドキした。
笑っちゃいそうになって、ニヤけそうになって。
この気持ちをどう伝えようか、と悩むことさえ楽しい。

Aちゃんの透き通る肌を思い出して、
笑うとできるえくぼを、
華奢な腕や足、小さめの肩幅とか。

全部愛おしいと思った。