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「この際だから、言っちゃいますけど！」
チャニョルの頬っぺたを両手で挟んだまま目を瞑る。
「むっ、むぅん」
私の両手にムギュッとされてるチャニョルは、何語か分からない言語で返事をするけど、それすら愛おしかったりして。
止まんないんだ
気持ちが、止められそうにもないや
「ずっと、ヨリのことが大好きだった。
バカみたいだけど、今も気持ちが変わりそうにないの」
息継ぎなんて忘れて一気に喋ったせいで、話終わった後に盛大に深呼吸する。
深呼吸した後、何も言わないチャニョルが気になって固く瞑っていた目を恐る恐る開いてみると、
目の前では私の両手に頬っぺたを挟まれながら大きな目を見開いているチャニョルがいた。
「うわっ、ご、ごめん！離すの忘れてた...！
って、うっわ、！」
すぐに謝って、手を離した瞬間だった。
目の前の大きな王子様は私にギュッと抱きついてきて、気づけばもう、彼の腕の中。
苦しいけど、幸せ。
幸せって、これのことか。
容姿は生まれながらにして完璧だったし、
お父様のお陰でお金にも困ったことはなかった。
ほしいものは大体手に入ったし、
卒業後からコツコツと努力して働いたから、仕事もある程度成功した。
でも全部、見せかけの幸せにすぎない。
本当に私がほしかった幸せはどこにもなくて、チャニョルしかもっていなかった。
だって、こんなに温かいんだもの。
それに今気づいたんだもの。
気づいた時には勝手に涙が溢れていた。
そんな私を見てチャニョルは驚いたみたいで、ものすごい速さで私から離れていく。
「えっ！A、ごめん！え、大丈夫！？苦しくて？それとも嫌だった？」
大きな瞳をパチクリとさせるチャニョルは愛おしいほど可愛くてたまらない。
「ふふっ、ううん。ただ、幸せで」
「A.....」
「ねぇ、これがチャニョルの答え？？」
私のことを温かく、優しく抱きしめてくれた。
それが、君の答えで良いんだよね＿？
そんな私の好きな人は変わらずに笑顔で、
また私のことを優しく抱きしめる。
「俺も、大好きだよ、A」
“ずっと、ずっとね。”
そんな言葉が耳元で聞こえてきて、
また私は幸せな空気を噛み締めた。
胸が温かくなるこの感じ、
幸せが完成していくこの感じ。
私が1番ほしくて、1番手に入れることができなかったもの。
「大好きよ、チャニョル」
今日から、私の人生が大きく変わる予感がして止まないのです。
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end
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作者名：デュオ | 作成日時：2020年4月30日 20時
