真夏の君は透明で儚い 2 (ページ18)

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ソジュンさんに強制的にお見送りをされた私は、ここ最近で1番酷い顔だったと思う。

そんな私は現在、パク専務の息子さんの車の助手席に乗っている。
そう、控えめに。

パク専務の息子さんこと、パクジェヒョンという人は、とても優しそうで好青年だった。
歳は私よりも2つばかり上だけど、年上だと感じさせないような話しやすさに、彼の人柄が出ているのだと思った。

「Aちゃんは、食べ物だと何が好き？」

高そうな腕時計と、おそらくオーダーメイドであるだろうグレーのスーツ。
爪も磨いているのだろうか、すごく綺麗。

「Aちゃん？」

おっと、人間観察をしすぎたみたい。
ジェヒョンさんは私のことを不思議そうな顔をして見ている。

「私は、ラーメンが好きです」

特に、学生の頃の飲み会の帰りにチャニョルと2人でこっそり行ったラーメン屋さんの豚骨ラーメンが絶品だった。

「ラーメンかぁ！意外だね」
「よく言われます。意外だねって」
「でもさ、可愛くて綺麗な子がラーメン好きって、キュンとしちゃうよ」

タイミングが良いのか悪いのか、信号で止まったため、ジェヒョンさんが私のことを見つめてニッコリと笑っている。

「ジェヒョンさんって、いつもそんな感じなんですか？」
「ん？どういうこと？」
「や、なんて言うか。可愛いとか綺麗とかをさらって言っちゃうような」

こういうプレイボーイみたいな人に、率直な疑問をぶつけてしまうのは私の癖。
だって、私の好きなチャニョルは誰かれ構わずにそんな事言わないもん。

「ワハハ！チャラいって思われちゃった？」
「まぁ、少々」
「さらっと言った風に見えるかもしれないけど、俺は本当のことしか言わないよ？」

「ふーん？」
「Aちゃんて面白いね、ふーんって！」

目的地のお店に着いたのか車を駐車場に停めながら笑っているジェヒョンさん。

本当の事しか言わないって、それもチャラい発言だと思うけどね。

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そんなこんなで、チャラめのジェヒョンさんとの食事は終わった。
帰りも車で送ってあげると言われたけど、どうしても寄りたいところがあると言って断った。

何となくだけど、一人で歩いて帰りたかったというのもあるし、

何より、
彼に会いたくてたまらなくなったから。
恥ずかしい気持ちだけど、今はほろ酔い気分でどうでもいい気がしている。

お酒がそんなに得意じゃないくせに、ほろ酔い気分とか言ったら馬鹿にされそうだな、なんて笑顔が溢れた。