真夏の君は透明で儚い 2 (ページ11)

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人生のターニングポイントページ11

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今日も鏡に映る自分の顔を見る。
神様はきっと、私に色々与えすぎたんだ。

透き通るような白い肌に、光に当たり輝く茶色の瞳。
スッと通った鼻筋と、ぷるんとしたピンクの唇。

その他に、あって困ることがないお金や秀才な頭脳と、経営者に向くマネージメント能力。
更には、お金だけでは手に入れることができない人望と親から与えられた権威。

私はきっと、恵まれすぎている。

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「A様、本日のスケジュールを申し上げます」
「あー、ソジュンさん。」

私が22歳になった時からかれこれ4年間秘書をしてくれているソジュンさん。
歳は35歳。すっきりとした目鼻立ちで、世間から見たら仕事ができるイケメンの部類に含まれそうだ。
背も高い。

「いかがなさいました？」
「今日の会食はパスしたいの」
「会長にはお伝えされましたか？」
「あは。言ってないわけないでしょ？」

嘘。
本当は、急遽入った会食より先に入れていた友達との予定があったから

お父様には、体調が悪いとか嘘でもついておこう。

「はぁ...。A様は相変わらず嘘が下手くそだ」
「え、ソジュンさん...」
「申し訳ないですが、会食には出てくださいね？」

“もう、学生ではないのですから”と意地悪そうに笑って言うソジュンさん。

分かってはいる。そりゃあ、私はもう26歳だ。
学生なんて遠い昔のことのように思える。歳をとったっていう証拠。

だけど私に人望があるのは、物事の優先順位を自分の中で決めていたから。
約束は最初に取り決めたものを優先するということは、決してブレてはいけないものだと思っている。

「ソジュンさん。私、もう子供じゃないのは分かってるけど。先に約束したことが優先なのは同じでしょ？」

反抗するのは昔も今も同じ。
心はちっとも成長していないんだ。でも、それが自分の誇れることだったりもする。

「まぁ、一理ありますね。」
「でしょ。やっぱりソジュンさんは分かる人」
「ですが、A様。ダメです」

「えっ、えー！？」

ここで昔なら、やだやだ攻撃をするところだけど。
今の私は違う。大人の女だ。

「ソジュンさん。こんなプランはどう？
まず、友達には時間をずらしてもらうの。それから会食に出る。1時間で切り上げる、それで友達とのご飯に行く」

ソジュンさんの顔色を伺うようにチラ見すると、ソジュンさんはため息をついて笑った。

「ソジュンさま！神様！ありがとう～！」

これが、私、ソンA。