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機械仕掛けの世界で君を想う3 ページ12

中々に長い夢だ。

ぼうっとベンチに座り、空を眺めながらそう思う。

「おまたせ。はい、お茶。大丈夫?ごめんね、休みに連れ出しちゃって。」

そう言いながらお茶を買ってきてくれるイケメン。
またしても訂正だ。長い夢ではあるが、中々に良い夢だ。

「全然。寧ろ、買いに行かせてごめん。すごく楽しんでるよ。何もかもありがとう。」

ふふっと笑いながら隣に彼が腰を下ろしたことで再び穏やかな時間が流れる。
そして、ジュゴーッと乙女にはふさわしくない音で飲み物を吸い込みながら、またしてもぼうっとしてしまう。

「……。」

「ジュゴーッ…。」

「……。」

「ガリガリ……。」

氷、おいしいなぁ…。と思ったことで、今日は中々に暑い日だということに気付く。

不意に、隣から視線を感じた。私にそんな能力あったのか。と思いながらチラリと見てギョッとする。

「…どうしたの?」

サラリとこの世のものとは思えない綺麗な銀髪が肩から流れる。
膝に肘を置き、頬杖をつきながらこちらを綺麗な青の瞳でまっすぐに見つめる彼がいた。

「いや、君が『記憶が無い』って言ったわりに、この世界のことを聞かないと思ってね。」

うーん。たしかに。

「いや…なんか、そういうもんかなって。」

「ふーん。随分悠長に構えてるんだね。僕が悪人じゃないなんて証明できないのに。寧ろ最初は僕から離れようとしていたじゃないか。」

試すように切れ長の瞳が揺れる。
どうにも落ち着かない。悠長も何もどっちみち、この世界でのつながりはこの人しか無いのだが。

「まあ、夢だしそんなものかなって…。」

「ゆめ…?いや、そうか。そう思ってたんだね。それなら辻褄があうよ。」

悲しげに伏せられた目からは諦めの感情が垣間見える。見えないはずの動物の耳がしょぼんと垂れているように見えた。
これが悪人とは信じ難いんだよなあ、と考える。いや、私騙されやすいし、人を見る目とか信用ならんのだけども。

「まあ、それに君はどこかで会ったことがあるような…懐かしくて、大事な…そんな感じがしてね。」

夢だとしたら私の記憶から形成されているだろう。きっと。

そう思い呟いた途端、彼の目が見開かれる。

「懐かしい…?大事…?」

「…?」

何か変なことを言っただろうか。
ふと視線を伏せて考え込んでいると。

「…A。」

呼ばれて顔を上げた途端。

…ちゅっ
…触れるだけのキス、そしてぎゅっと抱きしめられる。

そしてしばらく。静かに時が流れていった。

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カナ(プロフ) - 龍さん» わー!嬉しい*\(^o^)/* ありがとう〜時間作ってがんばることにする。でもまだワンピの方の龍のリクエストも書けてないっていうね…笑 ルフィだったかな? (2017年6月10日 14時) (レス) id: 86f63bd068 (このIDを非表示/違反報告)
- 読んだよ―!気長に続き待ってるww (2017年6月10日 14時) (レス) id: 59c104e2eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カナ | 作成日時:2017年6月8日 20時

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