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「おかえりA」
「……ただいまグク」
玄関を開けると大きな目を優しく細めて出迎えてくれる。
何だか自分のマンションに彼がいて出迎えてくれるのが新鮮で面映ゆい。だけど、彼と夫婦なのだと実感できる会話に新婚みたいだと心の中で思う。
今は、まだぎこちなさが残るこのやり取りもいつか当たり前になればいいなっと思っていると私の頭をひと撫でした彼が私が持っていたカバンを取り、反対の手を私に差し出してくる。
「A、リビングに行こう。
二人でこのまま此処で過ごすのも悪くないけど」
クシャッと笑って冗談を言う彼に私もつられて笑い彼の手を取る。
手を引かれ玄関からリビングに入る。
そしてソファーに腰掛けた彼は、繋いでいる私の手を強く引き寄せた。
バランスを崩した私は彼の腕の中に包まれる。
「……やっと逢えた。Aの匂いだ」
私を抱きしめながら、切なさがこもった声で耳元で囁く。
会えない期間、何度も彼に抱きしめて貰いたいと思っていた。
でも、それは彼も同じだったのだと、痛いぐらい強く私を抱きしめている彼の体温を感じながらそう思う。
彼にこうして抱きしめられていると愛されている、護られていると感じることが出来て、言い表せないほどの安心感に包まれる。
どちらかの仕事が落ち着いても、どちらかの仕事が忙しくなって、なかなかタイミングが合わず会うことが叶わない私達。そんな中でも、こうして少しでも時間ができれば逢いに来てくれる。
会えない期間に不安になることもある。だけど、そんなの吹き飛ばすぐらい大きな愛で包んでくれる彼。そんな彼と結婚できて良かったと心からそう思う。
暫く彼の腕に包まれ幸せに浸っていると「A」と名前を呼ばれて顔を挙げると熱を孕んだ瞳と目が会いお互い吸い込まれるように唇を寄せる。
「……んっ……」
最初は触れるだけだったキスが段々深いものへと変わって声が零れる。
繰り返される甘美なキスに翻弄され力が抜けた私の身体を支える彼は最後に軽く触れるだけのキスをして離れていった。
その温もりが名残惜しくて、つい強請るような瞳を向ける私に
「……A。これ以上は止められなくなりそうだから」
と彼が少し困ったように笑って、なだめるように私の頭を撫でる。
そんな彼に急に恥ずかしくなってしまって彼の胸に顔を埋めて隠れる私に仕方がないなっという風に彼が笑う。
そんな彼と過ごす、何気ないひと時が酷く幸せだと思った。
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さくら(プロフ) - Sanagi1618さん» パスワードを送りましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年7月5日 11時) (
レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
Sanagi1618(プロフ) - はじめまして。楽しく読ませていただきました。宜しければパスワードを教えていただけるでことは可能でしょうか？ (2022年6月30日 23時) (レス) id: 772ebad025 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 柚さん» パスワードをお送りしましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年6月29日 1時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - annalove4752さん» パスワードをお送りしましたので、メッセージをご確認ください。 (2022年6月29日 1時) (レス) id: 7b4f4afa76 (このIDを非表示/違反報告)
柚(プロフ) - はじめまして。楽しくて一気に読ませていただきました。宜しければ続編のパスワードを教えていただけないでしょうか？よろしくお願いします。 (2022年6月26日 21時) (レス) @page50 id: 6c04f8286c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら | 作成日時：2022年1月3日 22時
