拾ってくれたのは年下男子 (ページ6)

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昨日の夜はいろんなことが起こりすぎて家に帰った後も眠ることができなかった。

そのせいで眠い目をこすりながら登校し、授業も右から左へ抜けていくほど眠くて仕方なかった。

「あれ？寝てないの？」

「なんかもうわけわからないことが起こりすぎて」

親友のりさが心配そうに顔を覗き込む。

「もしかして毅先輩と何かあった？」

「どうしてそうやって傷ついた心をえぐるの」

わかってこうなのか、それともただの天然なのか。

りさは時々人の心がわからないで話すことがある。

「次の授業って出席とらないよね」

「帰りたいの？」

「うん、帰る。帰って寝る！」

「じゃぁ、私も一緒に帰る！そして何があったのか聞く！」

「だーかーらー」

りさに向かってブツブツと文句を言いながら校舎を出て校門に向かって歩いていれば、後ろからポンポンと肩を叩かれた。

振り返ってしまってから振り返るのではなかったと後悔した。

『あ！やっぱり！昨日のお姉さんだ！』

そこに立っていたのはもう会うこともないだろうと思っていた昨日の不気味な男の子だった。

『同じ大学だったんだね！文学部棟から出てきたよね？なるほどね、可愛いわけだ！』

ホントにこの人は口を開けば意味のわからない言葉を発して私を困惑させるんだ。

隣にいるりさなんて開いた口が塞がらないとでもいった様子。

「どーしたらそういう答えにたどり着くの？」

『だって文学部は可愛い人が揃ってるって言うでしょ？その通りだなって。お友達も美人だし』

「どーも…」

「バカ！まともにお礼言ってないで。次の授業に遅れちゃうから行くよ」

「え、ちょ、ちょっと、Aー！」

無理やりりさの手を引っ張って、さっき出たばかりの校舎に再び戻ってきた。