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いきなり自己紹介を始めて今度は何やらカバンの中をガサゴソとしだした。
『ほら!これ、なんだったったら写真でも撮って何かあった時に使ってもいいよ!』
そう言いながら彼が取り出したのは運転免許証。
目の前の彼が何を言っているのか、何がしたいのかさっぱりわからない。
『だから怪しいものではありませんってことが言いたいの!お友達になろう、僕たち』
とりあえず何かあったときのためにと自分でもバカな行動をとったものだとは思うけど、彼の言う通り彼の免許証を写真に撮った。
『もアホって言われるけどあなたもなかなかに…』
「あー、もういい加減手を離してください!帰りたいんで」
『でも手、怪我してるから…良かったら家近いんで手当てしに行きますか?』
彼の言葉に耳を疑った。
これは新手のナンパなのか?
「け、けっこうです!」
『別に何もしないよ、変な人ー。家来るのが嫌ならちょっと待ってて、すぐに戻ってくるから』
いちいちムカつく一言を言ってくる彼はようやく私の手を離して近くのアパートへと消えていった。
今のうちに逃げよう。
慌ててその場から離れようと公園を出るとあっという間に戻ってきた男の子。
『あ、せっかく手当てしてあげようと思ったのに逃げようとしたでしょ。心外だなー、そんな変な奴に思われるなんて』
今までの行動を思い返してみても変な人だとしか思えないのに、彼は何をそんなに自信満々に優しい男性だと思っているのだろうか。
『手、出して』
言われるがまま擦りむいた手のひらを上に向けて突き出せば丁寧に消毒までしてくれて可愛らしい絆創膏を貼ってくれた。
『お姉さん名前は?』
「教えません!では、私はこれで。ご親切にありがとうございます。さようなら」
今度こそ本当にその場を離れて家へとまっすぐ走って帰った。
こんな真冬の寒い日に汗だくで帰ったらお母さんに驚かれたけど(笑)
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ダオ(プロフ) - 続きが楽しみです!! (2019年7月31日 14時) (レス) id: 3b47b63316 (このIDを非表示/違反報告)
咲希(ソヨン)(プロフ) - 青いくらげさん» 大丈夫です! (2019年7月13日 16時) (レス) id: 0da49b69df (このIDを非表示/違反報告)
青いくらげ - 咲希(ソヨン)さん» ヲタ垢の方でもいいですか? (2019年7月11日 18時) (レス) id: 07a2db8ad0 (このIDを非表示/違反報告)
咲希(ソヨン)(プロフ) - はじめまして。私も作品書いているんですけど、Twitter相互しませんか? (2019年7月11日 17時) (レス) id: 0da49b69df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青いくらげ | 作成日時:2019年6月30日 22時