きみにキスを９ (ページ20)

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170.神様は見ているページ20

和「ね、A？」

A「……ん？」

和「……ここに孫がいんじゃないの？」

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帰り際にAのお腹を撫でて耳元で囁くと

バカっ！って背中を叩かれた。

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和「いってぇなぁ。しかもバカって……」

A「バカよ……ホントに体調が悪かったんだから！！」

和「え？マジで？やった！カナダ、行けないじゃん！！」

A「もう！そっちなの？」

和「どっちでも嬉しいよ？で、どうなの？行くのカナダ？」

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あの場で話せないからって後で聞いたら

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なかなか出発日が決められなかったのは

ホントにそうかもしれないと思っていたらしく……

かなりドキドキしながら過ごしてきたらしい。

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ビールの買い置きを忘れていたのは、自分が飲まないようにしてたからだってボソボソと話してくれた。

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和「……で？もうビール解禁なわけね？」

A「出発日も決めてきたから♪」

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ニコニコ笑顔でビールを飲むAは可愛いから好きなんだけど…

なんだかちょっと複雑だ……

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本当にどっちに転んでも嬉しかったことなんだけど

やっぱり、そういう悪巧み的なコトってのは…ちゃんと神様は見てるんだなって思った。

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万全の体調で元気いっぱいのAは着々と準備を進めていた。

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その様子や途中経過を

ゲームをしながら

拗ねてんのを隠しながら

見つめるしかなかった。

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和「……３か月なら……って言ったの俺なんだしな。」

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……あぁ……やっぱりバカだったかもしんない。