169.初対面 ページ19
Aのお母さんに初めて会う日。
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帰国後の…同棲の許可をもらいに行くわけだし。
一応、身なりって大事かなって思って
パリッとスーツ姿で出向いたんだけど…
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A「…わ！スーツ姿でどうしたの？びっくりした〜(笑)」
和「…そりゃ、一応ね？…お母さんは？」
A「いるよ。どうそ。」
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かっこいいかっこいいとニコニコ上機嫌のAに案内されて
ずいぶん前に来たことのあるリビングに入った。
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和「…失礼します。はじめまして、二宮と申します。」
「はじめまして。どうぞ、お座りになってください。」
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…Aとそっくりだな…
第一印象はそれだった。
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挨拶も早々に
「何もできない子でご迷惑かもしれませんが…」の言葉で切り出され
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和「…え？OKって事…ですか？」
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ニコニコしながら数回頷くお母さん。
…またこのニコニコ顔が本当に似ている。
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「人生一度きりなんだから後悔のないようにと言ってます。」
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父親が亡くなった時に三人で決めたことらしく、進路やら恋愛事やら相談してきたという。
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「本当はナオキくんの時ももっと考えてほしかったもの。」
A「お母さん！」
「まぁ、ナオキくんよりいい人に出会えたんならそれはそれでいいのよ。
あ〜…これでやっとお母さんも決心ついたわ。」
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A「決心…って？」
「韓国に住む決心よ〜。」
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初耳だったらしいAはびっくりして声も出せずにいた。
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A「お母さん、なにもあっちに住まなくても…」
「もうね、追っかけ費用もバカになんないのよ！」
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あぁ…なるほど。
Aの家に来た時にいつも弟君しかいなかったのは…
…そういうコトね(笑)
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和「お母さん？日本のアイドルにお金落としてくださいよ？」
「そうね、考えておくわ(笑)孫の顔くらいは見に帰ってくるからよろしくね。」
A「な、ないっ！そんなのないからっ！！」
和「Aさん、そんなに全力で否定すんの？」
A「……あったりまえでしょっ！！」
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作者名：みおり
| 作成日時：2012年7月19日 16時
