第207話ですよー ページ19
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銀時side
インターホンがなった後に「銀さーん」と抑揚のない声が届く。
家賃でも新聞でもねぇ。おまけに今日はアイツが休みだと言って約束した月曜日だ。
あ「やっほ、おはようございます。言われた通り手土産なしだよ」
玄関の扉を開けると、いつもと違う雰囲気のA。カゴのバックを腕にかけ、何も持ってないアピールなのか、両手を軽く上げている。
淡い桃色の生地に、朱色の桜が散りばめられている普通の着物。紫の帯と、白い椿の帯留め。着物に合わせたのか、鼻緒も朱色の白っぽい下駄を履いていた。髪も右側に寄せていて、白い肌がよく見える。
あ「...なんですかぁ?ジロジロ見て」
いじる気満々なのか、悪い顔が覗いた。
銀時「...いや、お前も普通の町娘に見えるな、って」
あ「やだ、普通よりも可愛いですよ」
銀時「パッと見な」
あ「...帰る」
銀時「待て待て待て待て!!!」
むくれて踵を返しかけられ、慌てて肩を掴んだ。
...そこらの女よりはしっかりしているが、華奢な肩。
あ「それで?今日は何用ですかィ?」
案外簡単に俺に向き直った。その顔はなんだかキラキラしていて、今日を少しは楽しみにしていてくれたのか、なんて期待する。
銀時「買い物だ。ちょっと付き合え」
数回の瞬きをして、何故か面白そうに笑った。
あ「なんか、主夫やってます、って感じ」
...そりゃ、一人暮らしの時期もあったんだから、やるっきゃねぇだろ。今は神楽が居候でいるが、アイツに家事を任せられるワケねぇし。
___神楽も新八も今日は休ませている。コイツと出かけるという恥ずかしい現場を見られたくなかったからな。
あ「よし、さっそく行きましょうか!」
一瞬視線を下に落として、俺がいつものブーツを履いていることを確認してから、そう笑いかける。すぐ出られる用意をしているか、見たかったんだろう。見るとこ見るのは、職業柄なのか。
銀時「え」
あ「え?」
さり気なく俺の袖を引っ張って外に連れ出したコイツは、無意識なのか...
...末恐ろしい奴。
あ「そうそう。この着物動きにくいから、今日は私戦えないよ?ってわけでもし戦闘あったら銀さんに全力で頼る」
銀時「知ってるか?それフラグって言うんだと」
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練紅龍(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 見事に私のやる気を叩き起こしておられます。ありがとうございます!沖田さん……沖田サァン……ご期待にそえるよう精進します! (6月7日 17時) (レス) @page28 id: 0cf84c7016 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 感想を毎回、すみません。あれ?オチは沖田さん?と考えが変わったところで次。原作沿いみたいなので、続き楽しみに読まさせていただきます。 (6月7日 11時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 和泉梓さん» ありがとうございます...時間作ってちょっとずつ、進めていきたいです...ありがとうございます...! (2020年6月13日 13時) (レス) id: 817163acd5 (このIDを非表示/違反報告)
和泉梓 - 更新待ってます!頑張ってください! (2020年6月5日 11時) (レス) id: 451b0d7f40 (このIDを非表示/違反報告)
練紅龍(プロフ) - 白猫さん» ありがとうございます!ぼちぼち頑張っていこうと思いま...頑張っていきます...! (2019年12月22日 22時) (レス) id: 308444a36a (このIDを非表示/違反報告)
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