【イナゴ】ドSな執事たちが。【狩屋・剣城】 (ページ9)

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「あっ…もうすぐお昼じゃない。」

私は椅子から立ち上がると、内線を手にとり、耳にあてた。

『＿＿＿＿＿はい？』

通じた。
受話器の向こうから、メイドの声が聞こえる。

「お昼を持って来て。部屋で食べるから。」
『かしこまりました。』

一呼吸おいて、切れた。
これから、楽しいお昼の時間。

＿＿＿＿＿には、ならなかった。

「…うぅ…」

メイドと内線で会話してから3分。部屋で格闘して7分。
既に、10分も経過していた。

「お嬢様…良い加減、諦めたらどうですか？」

剣城が料理を片手に持ったまま、溜息をついた。

「嫌！なんで私がこんなことしなきゃいけないのよ⁉」

私は既に、半べそ状態だった。
その目の前で、狩屋がニヤニヤしながら言った。

「ほらお嬢様、早く」

私がそっぽを向くと、狩屋は意地悪な口調で、わざと大きな声で言った。

「へぇー…じゃあお嬢様のだーいすきな苺、食べちゃおっかなぁ…？」

狩屋の方を向くと、彼は赤く実った苺に手を伸ばしていた。

「や…駄目っ‼」

慌てて狩屋を制すると、また意地悪な口調で囁かれた。

「じゃあ…やって下さいよ」

その声に、吐息に不覚にもゾクっとした。