【イナゴ】ドSな執事たちが。【狩屋・剣城】 (ページ5)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:3,559 hit

3 ページ5

「なっ、何言ってんのよ…⁉」

私は立ち上がり、藍色の髪に詰め寄った。
が、緑髪の執事にくっと顎を持ちあげられ、力が抜けて椅子にへたり込んでしまった。

「へぇ…しばらく見ない間に可愛くなっちゃったじゃん。」

顎を持ちあげたままニヤニヤと笑う緑髪の執事。
私は“可愛い”という言葉に反応し、顔を赤くした。

「ば、馬鹿！何言って…」
「可愛いですよ、Aお嬢様？」

緑髪の執事は“可愛い”を強調してからかうように言った。
一方、ずっと私たちのやりとりを見ていた藍色の髪の執事は呆れたように溜息をついた。

「ちょっと⁉どういうことよ⁉」

私は混乱状態になり、大声で騒ぎ始めた。
その途端。緑髪の執事はたちまち、機嫌の悪そうな顔になった。

「無礼者っ、さっさとその手退けなさいよ！」

私が緑髪の執事に向けて叫んだ瞬間。

・

・

…ちゅっ

・

・

小さなリップ音が、部屋に響いた。