【イナゴ】ドSな執事たちが。【狩屋・剣城】 (ページ3)

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朝。
私は新しい執事が来ると聞いたので、メイドたちの部屋に来ていた。

「お嬢様。こちらが新しい執事の二人です。」

ちら、と二人の方を見ると、二人は軽く頭をさげた。

「…わかった。」

そう言って、私は二人に背を向けた。
執事やメイドなんて、もう要らないのに…

「お嬢様？」

メイドに呼ばれたが、私は歩きだした。

「部屋に戻るだけ。また食事の時に呼んで。」
「A様。」

廊下に男の子らしい低い声が響く。
振り返ると、執事のうちの藍色の髪の方が、前に歩みよっていた。

「…申し訳ございません。

どうしても、自己紹介をしたいのですが…？」

…変な人が入ってきてしまったようだ。
私はそう思い、彼に背中を向けた。

「面倒だから、後にして？」
「ですが…」

困ったような顔をする彼に、私はため息をついた。

「…わかった。ついてきて？」
「ありがとうございます。」

彼は深々と頭をさげると、私の後ろについてきた。

私は黙って、一度も振り返らずに部屋に向かった。

・

・

…彼らが不気味に笑っていることなんて知らずに。