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食事を終え、私は一息ついた。
「ごちそーさま…」
「お嬢様。」
ふと横を見ると、剣城が優しく微笑んでいた。
「なに？」
「本日のおやつなんですが…
“これ”はどうでしょう？」
そう言って剣城は私に赤い箱を見せた。
「…ポッキー？」
「はい。」
「ふーん…」
私は剣城から箱を奪うと、袋を割ってポッキーを一本口に入れようとした。
が、その手は剣城の手でがっちりと抑えられてしまった。
「なっ、何するのよ⁉」
「お嬢様。」
剣城は呟くと、私が持っていたポッキーを食べた。
「ちょっと‼何して…」
私が叫んだ瞬間。
剣城はにや、と妖しく笑った。
「＿＿＿＿＿普通に食べたら、つまんねぇじゃん。」
その声に、ゾクっとした。
と、同時に自分が罠にはめられたことに気づいた。
「ど、どうするつもりよ…」
すると剣城は私からポッキーを奪い、自分が食べた方と反対側を私に差し出した。
「ん。」
「？」
私は首を傾げた。
どういうことなのか、わからなかった。
「えっと、どういうこと？」
「…え。」
逆に驚かれた。
「いや…普通わかるだろ。」
私は剣城の一言で、少しショックを受けた。
え、普通だとわかるの？
「え、皆わかるの？」
「ああ…多分。」
…。
「か、狩屋、呼んで‼」
「え？」
「いいから‼」
狩屋は知らないかもしれない。
そう思って、急いで狩屋を呼んだ。
「なんですか？お嬢様。」
呼ばれたのが嬉しいのか、狩屋はかなり上機嫌だった。
「狩屋！ これ、知ってる⁉」
そう言って私は、ポッキーを咥えている剣城を指さした。
「剣城くん、ですか？」
「違う‼」
そんなの見たらわかるじゃん‼
「これよ‼ このポッキーの食べ方‼」
「？」
狩屋は首を傾げた。
「これで、反対側を私が咥えるの。」
「…ああ！」
私が説明すると、狩屋は思い出したように叫んだ。
「＿＿＿＿＿知ってるよ。」
続く (更新停止中)
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作者名：涼野海帆 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/agogolove3249/entry-11179204072.html
作成日時：2012年12月27日 23時
