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『いや、俺ギョンスと仲良いのに、知らなかったんだなと思って』

「え、そうなの？仲良い友達なんかいたんだ、あの人」

『まあ……とりあえず、ギョンスはやめとけ』

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そう言ってまっすぐ私の方を見つめるベク。

…なんで？今までそんなこと言ってきたことなんかなかったじゃん。

また？って呆れてほどほどにしろよって…、今まではそう言ってきたじゃん。

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「なんで？同じ大学だから？ベクの仲いい友達だから？」

『なんでもいいから、やめとけって。どう頑張ってもあいつは靡かないよ』

「だからなんで？もう彼女いるとか？」

『いるとかいないとかじゃないんだよ、あいつは…ダメ』

「だからなん……、」

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詳しく聞こうとしたらベクがおもむろに立ち上がってそれ以上話は続けられなかった。

理解のできないもやもやだけが胸に残って苦しい。

理由くらい…言ってよ。

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『ん、じゃーな、ちっとはまともに生きろ！』

「ま、まともって…」

小走りで去っていくベクの背中を見つめた。

そりゃまともなことしてないってわかるけどさ。

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ていうか芋くんはダメってどういうことなんだろう。

ベク…自分の友達なのにダメとか言うんだ。自分の友達だから？そんなの関係ある？

……ダメって言われたらやりたくなっちゃうのが人間の性じゃない？

特に、私みたいな人間は。