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「ふぅ〜、……」
… あれっ
休憩室のドアを開けて見えたのは
佐藤「ほんっと最低!」
「何してんの…?あゆちゃん」
佐藤「あっ!ちょっと、せんぱぁ〜い!聞いてくださいよぉ〜!」
水道のある鏡の前で
一生懸命メイク直しをしているあゆちゃんの姿。
佐藤「205室の井上さんいるじゃないですかぁー?」
鏡越しで、彼女があたしの目を見て話す。
佐藤「あのおじいにぃー
さっきお昼ごはん、思いっきり顔にブッ!ってかけられたんですよぉ〜!!マーージで有り得なく無いですかぁ〜?!!」
超ーー!汚いんですけどぉー!
そう言って、顔を歪ませた彼女が
ぱたぱたとファンデーションを塗る。
「………」
佐藤「顔洗ったから、メイク直さなきゃダメだしぃ!!」
「……あゆちゃん、」
はいー?
マスカラに持ち替えた彼女が振り向く。
「……井上さんが、嚥下機能が低下してて、むせやすいことは知ってるよね?」
佐藤「……は、い」
「なら、これは仕方ないこと。」
佐藤「えぇ〜、でもあたしはぁ無理なん…」
「井上さんが、わざとでやってる訳じゃないこと分かってるでしょ?」
少し、声のトーンが低くなったあたしを見て
彼女が口を噤む。
「患者さんに寄り添ってケアをする。それが看護師の仕事。」
「こんなことで、汚いとかなんとか言って患者さんを放棄してたら仕事にならないでしょ」
「そんなの看護師、失格。」
佐藤「……」
「それに、あゆちゃんまだ休憩の時間じゃないよね?
…こんなところでゆっくりメイクしてる場合なの?」
「顔洗ったんなら、早く患者さんのところに戻りなさい」
思ったことを全てを言い終えたあたし。
その後に待っていたのは
シン…。とした気まずい静寂。
二人だけの空間の中
あゆちゃんは、あたしの目をジッと見つめてる。
……やばい、言いすぎちゃったかも、
「ごめん、ちょっと言いすぎ」
佐藤「すみませぇーん!そぉですよねぇー!」
あたし、ダメな子だなっ☆
えへっ!と明るい笑顔。
佐藤「仕事戻ってきまぁす!」
「あ、…うん!頑張って!」
バタッと閉まったドア。
「……」
…とりあえず、これで良かった…よね?
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恵理(プロフ) - ゆうりくんとかんなちゃん繋がったりしませんかね?大人になって..的なの想像しちゃって。久しぶりに読めて凄くキュンキュンしました!これからも頑張ってください!! (2019年4月21日 9時) (レス) id: 64f5153363 (このIDを非表示/違反報告)
みう - かんな...橋本環奈って思ったのあたいだけ? (2019年3月31日 18時) (レス) id: 40cf893d3e (このIDを非表示/違反報告)
さち(プロフ) - ほんとにほんとに最高なお話でした!幸せな気持ちときゅんきゅんと、、これからも頑張ってください! (2019年3月31日 12時) (レス) id: e0cdd762b9 (このIDを非表示/違反報告)
mm(プロフ) - 今日たまたま思い出して数年ぶりに読み返しました!私が占ツクを知ってすぐに読んだ思い出の作品なので、消さずにいてくださること感謝します!メイさん、こありがとうございました!!! (2019年3月28日 17時) (レス) id: b60a2dbde8 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ - すごいよかったです!!!また見たいなとすごく思いました!最高の作品、ありがとうございました!!! (2019年2月10日 17時) (レス) id: 18cfb8505a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:メイ | 作成日時:2016年11月3日 0時