AinoArika3 ym×in (ページ5)

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いのちゃんと山田は、恋人同士だった。

秘密を教えてもらってからしばらく経った時、

雨が降ったと思えば急に晴れたり、天気が頻繁に変わるもんだからいのちゃんを問い詰めた。

そしたら、山田に片想いしていることが分かって。

『山田に怒られちゃった…』と言って落ち込んでは、3日大雨が降り続いた日もあったし、

『この服褒めて貰えた！』って嬉しそうにしてた日は近年稀にみる暑さだった。

天気に振り回されつつも、親友であるいのちゃんの恋を応援していたある日。

『大ちゃん…山田と、付き合えることになったよ』

大ちゃんにだけ特別だよ、って

あの日みたいなイタズラっぽい笑顔で教えてくれた。

その日はすごく快晴で、風が気持ちくて俺まで嬉しくなった。

それから天気は安定していて、本当に幸せなんだなぁと思っていた。

時々、雨が降ったり雷が鳴ってる日は、
山田と喧嘩したであろういのちゃんの愚痴を聞くのがお決まりになった。

散々話を聞いた後、山田の元にいのちゃんを送り出して眠りに着く。

翌朝、晴れてる空を見てやれやれと思ったりもしたけど、

山田も知らない秘密を教えてもらった優越感みたいなものもあって、これが俺の役目だと思っていた。

でも、2ヶ月程前。

いつも通り山田と喧嘩したいのちゃんを送り出して、起きた翌朝。

まだ降り続いてる雨に首を傾げながらも、出かける準備をしていた。

仕事か何かで昨日話せなかったのかな、
なんて気楽に考えていたけど、その日は一日中雨が降り続いていた。

次の日起きても昨日より強くなっている雨に、胸騒ぎがした。

山田と付き合い始めてから、こんなに雨が降った日はなかったから。