AinoArika3 ym×in (ページ2)

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「今日、直接言えなかったから」

「ふーん」

「…ごめん、寝るとこだった？」

「まあね。最近早起きすることあんま無かったから、明日寝坊したら怖いなって思って」

「ふふ、たしかに早めに寝とかなきゃ怖いよね」

「30にもなって寝坊とか笑えね～もん」

耳元で聞こえるフワフワした声が心地良い。

もう切らなきゃって思うのに、ずっと聞いていたい。

「ねぇ、何がほしい？」

「ん？」

「プレゼント」

「えっ、くれるの？」

「恋人なんだし、当たり前じゃん」

「恋人ならサプライズでバシッと俺が欲しい物くれるんじゃないの？」

「うっ………それが出来ないから聞いてるんじゃん」

痛いとこつかれて、上手く言い返せない俺に、くふくふ笑う声が聞こえる。

伊野尾ちゃんって、ほんとに何が欲しいか分かんなくて結局決められなかったんだよね。

「山田さんは稼いでるからな～。
なんたって、エース手当がついてますもんね」

「ついてねーよっ！
……良心的なヤツでお願いします」

「難しいなぁ…………あ、じゃあ、目覚まし時計かな」

「目覚まし時計？」

「そ、俺が寝坊しないように」

「そんなんでいいの…？」

「うん」

目覚まし時計かぁ…。

まあでも、良い時計持ってて損は無いし
明日オフだから探しに行こうかな。

「わかった、用意しとくね」

「明日の分は？」

「え？」

「明日が1番早起きなのに、今無いと意味ないじゃん」

「そんなこと言われても…」

きょろきょろと周りを見渡しても、こんな時間に空いてるお店なんてない。

相変わらず無茶ぶりする伊野尾ちゃんを、どうやって納得させようかと考えた時だった。